LASER THERAPY

むし歯用と軟組織用のレーザー

昨今では様々な分野でレーザー光が有効活用されています。その恩恵は歯科治療にももたらされる時代になりました。歯を削る時の痛みは麻酔で抑えられても、音や振動をなくすことは不可能だと思っていらっしゃいませんか。レーザー治療なら痛みはもちろん、音や振動による不快感を減らせます。しかも大概のケースで麻酔を使わずむし歯治療ができるので、患者さんに苦痛を与えないMI治療(ミニマルインターベンション治療)として注目を集めている治療法です。副作用がないので、妊婦さんや各種疾患でお薬を服用中の方も受診していただけます。

FEATURE

レーザー治療の特徴

レーザー治療はレーザー光線を患部に照射して治療する方法です。レーザー光を患部に照射すると深部に作用して高い治療効果が得られます。レーザー装置には複数の種類があり、それぞれにレーザー光線の波長や性質が異なり患部への作用が変わってくるので、治療目的に応じた装置『硬組織様・Er:YAG(エルビウム・ヤグ)レーザー、もしくは軟組織様・半導体レーザー』を選ぶ必要があります。
現在、日本の歯科医院で導入しているレーザー装置は波長別に4種類がありますが、その中で当院が導入しているレーザーは下記の2種類です。

むし歯が削れるEr:YAGレーザー
軟組織に威力を発揮半導体レーザー

Er:YAG LASER

歯が削れるレーザー

「Er:YAGレーザー」は、むし歯を削ることを目的として開発され、数あるレーザーの中で唯一むし歯治療で認可が下りているレーザー装置です。
最大の特徴は、むし歯部分を分解することです。
歯の構成要素の一つに水分があります。むし歯になった悪い部分は、健康な歯質に比べて水分を多く含んでいます。Er:YAGレーザーをむし歯に照射すると水分が蒸発するため、水分を多く含んだむし歯を分解(蒸散)でき、むし歯部分を無くせます。しかも、レーザーは患部だけにピンポイントで作用するので、健康な歯質を傷める心配がありません。

むし歯まで削れるレーザー

Er:YAGレーザーの安全性

Er:YAGレーザーが「もっとも人体に優しいレーザー」といわれるのは、熱の発生が少ないからです。通常のレーザーは照射時に熱が発生しますが、Er:YAGレーザーは光線と一緒にスプレー状の水が出るので、患部を冷やしながら治療できます。また生体組織の表層部のみに反応するので、熱による痛みや違和感がほとんどありません。しかもキーンという音や振動の不快感がなく、ストレスフリーの治療を実現。むし歯治療だけでなく、歯周病治療・口内炎・歯ぐきの黒ずみ除去まで幅広い治療ができます。

むし歯も削れるレーザー

SEMICONDUCTOR LASER

軟組織専用レーザー

「半導体レーザー」は、むし歯は削れませんが、数あるレーザーの中で歯以外の口腔内軟組織に応用可能なレーザー装置です。最大の特徴は、メスと同様な切開が可能なのに出血がない点です。
半導体レーザー「BIOLASE EPIC」は従来と異なる軟組織治療法で、歯肉の切開始め、歯周病治療、歯の根の治療、インプラント治療、歯ぐきの黒ずみ除去、顎関節症治療、小帯切除、ホワイトニング、口内炎治療など様々な治療に大活躍します。治りが早く、痛みを軽減できます。皆さんにとって優しい治療法と言えると思います。

半導体レーザー

短時間でできる「レーザー・ホワイトニング」

オフィスホワイトニングは院内で完結するホワイトニングの施術方法ですが、当院はこの半導体レーザー「BIOLASE EPIC」を用いたレーザーホワイトニングが可能になりました。
通常のオフィスホワイトニングでは通常時間と回数がかかりましたが、この半導体レーザーを用いるレーザーホワイトニングは5分の1程度の短時間で完了します。その為に知覚過敏の発現も少ないと言われています。

ホワイトニングにも有効な半導体レーザー

LASER TREATMENT CASE

レーザー治療の症例

歯周病治療

歯石の粉砕と同時に歯周病菌の殺菌ができます。レーザーには水分を蒸発させる作用があり、歯石粉砕能力に長けており水分を多く含んでいる歯石に照射すると一瞬にして分解して除去することができます。同時にレーザーには殺菌効果があり、歯周病の患部に照射することで原因菌を殺菌・消毒します。 また歯周ポケット内に照射して歯肉の内部を殺菌することで治癒効果が得られます。これにより治療期間の短縮と痛みがほとんどない歯周病治療が実現します。
下記のCG動画でその過程のイメージが御理解いただけようかと思います。 実際に当院のEr:YAG(エルビウム・ヤグ)レーザーでこの歯石除去をすると、歯肉縁下(ポケット内部)の見えない真っ黒歯石が大袈裟に言うとザックザク除去できて驚かされます。

※なお、動画途中の歯根面に付着した歯石を除去してるのは超音波スケーラーと呼ばれる衛生士さんが良くお使いになるツールであります。

むし歯治療

Er:YAG(エルビウム・ヤグ)レーザーの得意とするところですが、むし歯をピンポイントで削るので問題のない健康な歯質を残せます。器械で削る時のキーンという音や振動による違和感・不快感もありません。また殆どのケースで麻酔無しで痛みがないので、低侵襲のMI治療(ミニマルインターベンション治療)が実現します。特に歯質の軟らかいお子さんの歯に有効で、可能な限りストレスの少ない治療ができます。なお当院のレーザー治療は、小さなむし歯が対象であり大きなむし歯や神経に達している場合は適応ではありません。

むし歯も削れるレーザー

歯肉の切開や小帯切除など

膿がたまって腫れた歯ぐきの切開や小帯切除は、レーザーを使うと痛みが少なく治癒効果も高めてくれます。口内炎や口角炎は1~2回の照射で炎症が治まります。また知覚過敏の症状を抑える効果もあります。半導体レーザーの得意とするところです。

歯肉切開・切除

メラニン色素や金属による歯ぐきの黒ずみの除去

喫煙(副流煙を含む)や食物の刺激で歯ぐきが黒ずんだ方は、このレーザーを用いることで除去が可能になりました。 この方は、コアと呼ばれる金属の土台が原因となり歯周組織を黒変させてました。外部からは数度のレーザー照射、仮歯に置き換えた歯の根の内部からは漂白剤を併用して歯肉の色の改善を図ってみました。

色素沈着除去

実際のケース

歯肉の黒変

改善後

執筆・監修歯科医

レーザー治療