最近、患者さんや医療従事者の方々から頻繁に尋ねられることがあります。 「インプラントが入っている人はMRI(核磁気共鳴画像法)がダメって聞いたんですけど…」
おそらくインプラントそのものの素材や意味合いがハッキリしない為に案じていると思われますがご安心ください。一部の例外を除いて、問題ありません。
一部の例外って何でしょう?
世の中にはいろいろなことを考える方がいらっしゃって、外れやすい入れ歯を何とか磁石で外れにくくできないかな…と考えた方がいらっしゃいます。
磁性アタッチメントと呼ばれるものがそれで、下図のように根っこだけが残った歯や埋め込んだインプラントにキーパーと呼ばれる磁石を装着し、着脱する入れ歯の方にもう一個の磁石を埋め込み、その磁力で安定を図ろうとするのがそれです。

理に適った手法ですが、この状態でMRI検査を行った場合は磁力の影響が及ぶエリアは何も写らないのでマズいのです。(泣)
上図の「歯根」が「インプラント」である場合は「インプラントはMRI検査に適さない」と思われます。
つまりダメなのはインプラントではなく「磁性アタッチメント」になりましょうか。
こんな入れ歯が入っている方はご確認ください
何を隠そう、私の父親が実際その状態でした。鼻の病気があってMRIの検査をする際に、歯根の内部に上図のようにしっかりと接着してあったキーパーを外すことを余儀なくされました。もちろん二度と取れないように接着してあるのでやむを得ず壊して外すしかなかったのです。(泣)
執筆・監修歯科医

医療法人SDC 酒井歯科医院
院長 酒井直樹
1980年 福島県立磐城高等学校卒業
1988年 東北大学歯学部卒業
1993年 酒井歯科医院開院
2020年 医療法人SDC 設立