下記の写真を御覧いただいても一般の方にはナンの写真化かはお解りになりませんでしょう。当院でも2013年に導入したCAD/CAM冠のセラミックブロックなのですが、これを機械にセットしてミリングという削り出しをするんです。
実際にはこんな感じで削り出します。所要時間は約10分です。
多くの皆さんにとって朗報になろうかと思います。2020年9月1日に追加された機能区分「特定保険医療材料 058 CAD/CAM冠用材料(IV)」ってややこしい名前の材料に該当するようで、前歯への保険適用材料として算定可能になりました!
ブロック形状の上部にエナメル色、下部にボディ色を有し、間に中間色を含む積層構造ってやつで、従来の臼歯部のブロック素材よりも審美的に優れているようで、歯の表層のエナメル色から内部のボディ色にかけて彩度と透明度が境目なく移行的に変化するいわゆるマルチレイヤーを実現しており、前歯に適した被せ物(クラウン)の製作が可能になりました。
従来の金属の裏打ちがあって経年的に色が変わってしまう硬質レジン前装冠に間違いなく取って代わりますでしょう。歯科界に金属を使わないメタルフリーの時代がやって参りました。歯ぐきの色が黒ずんだりもしませんので御期待下さい。
執筆・監修歯科医
医療法人SDC 酒井歯科医院
院長 酒井直樹
1980年 福島県立磐城高等学校卒業
1988年 東北大学歯学部卒業
1993年 酒井歯科医院開院
2020年 医療法人SDC 設立