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顎関節症・歯ぎしり治療

虫歯じゃないのに歯が割れる?原因は食いしばり・TCHかも

「虫歯でも歯周病でもないのに歯が割れた」・・・その背景には、“力”の問題が隠れていることがあります。
食事以外の時間に上下の歯が触れている状態(TCH)や、無意識の食いしばりは、歯や歯ぐきに想像以上の負担をかけます。本記事では、歯が割れる仕組みとその予防法、そして今日からできる具体的な対策を、いわき市中央台の酒井歯科医院がわかりやすく解説します。

虫歯・歯周病だけではない「歯が割れる原因」とは?

こんにちは。いわき市中央台の酒井歯科医院です。患者さんからよくいただくご相談に、

「虫歯ではないはずなのに歯が痛む・しみる」
「詰め物がよく取れる」

というものがあります。

虫歯ではないのに奥歯にヒビが入っていると知り、驚く女性のイラスト

実はその原因の一つが、「無意識の癖」によって歯にかかる“力”です。
今、この記事を読んでいるこの瞬間、あなたの上と下の歯は、くっついていますか? それとも離れていますか?
もし、カチッと触れ合っていたら、少しだけ注意が必要です。今日は、歯を長持ちさせるために大切な「力のコントロール」についてお話しします。


TCH(歯列接触癖)とは?無意識に歯を触れさせる習慣

TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)とは、食事や会話をしていない時にも、上下の歯を無意識に接触させ続けてしまう癖のことです。弱い力でも長時間続けば、歯にとっては大きなストレスになります。
TCHの正体や見分け方、対処法は、TCHのページで詳しく解説しています。


虫歯・歯周病につぐ第3のリスク「歯にかかる力」

歯を失う原因といえば、虫歯や歯周病が思い浮かびますよね。でも実は、それらに加えて「歯の破折(歯が割れたり欠けたりすること)」も大きな原因の一つです。

歯を失う3つの原因を示す図:虫歯、歯周病、そして第3のリスクである歯の破折

「硬いものを噛んだわけでもないのに?」と不思議に思うかもしれません。 ですが、日々の生活の中で無意識にかかっている「力」が、見えないレベルで歯にヒビ(マイクロクラック)を入れたり、歯を支える骨に負担をかけて歯周病を悪化させたりすることがわかっています。

繰り返しかかる力で、歯の表面から内部に向かって細かいヒビ(マイクロクラック)が広がる様子を示した奥歯の断面図

特に気をつけるべきなのは、以下の3つの力です。

1. 日中の食いしばりや、歯を接触させる癖(TCH)
2. 食事の際の噛み方
3. 寝ている間の歯ぎしり

歯に負担がかかる3つの場面:日中の作業中のTCHや食いしばり、食事のときの噛み方、寝ている間の歯ぎしり

これらは無意識に行っていることがほとんどのため、ご自身ではなかなか気づきにくいのが厄介な点です。

食いしばりが歯を割る仕組みとは?

「強く噛んでいないから大丈夫」と思っていませんか?
歯へのダメージは「力の強さ × 時間」で決まります。たとえ弱い力でも、長時間続けば歯には大きな負担となります。その結果、ヒビが入り、歯が割れたり、歯周病が悪化したりするのです。

歯へのダメージは力の強さと時間のかけ算で決まることを示す図:弱い力でも長時間続けば大きな負担になる

「上下の歯が触れる」のは食事の時だけが正解

本来、人間の口の構造として、上下の歯が触れ合うのは「食事の時だけ」が自然な状態です。 1日3回の食事で歯が接触している時間を合計しても、実はわずか20分程度だと言われています。

もし、仕事中やスマホを見ている時など、日中に1時間でも無意識に歯を接触させていたら、それだけで「本来の3日分以上の仕事量」を歯に強いていることになってしまいます。 チリも積もればなんとやらで、弱い力であっても長時間続けば、歯にとっては大変な重労働なのです。

健康な人でも上下の歯の接触時間は食事と会話を合わせて1日20分程度であることを示す24時間の時計グラフ

噛み方で変わる!歯が割れるリスクを減らすコツ

次に「食事の噛み方」も見直してみましょう。 食事中、カチカチと音がするくらい元気に噛んでいませんか?
実は、噛む力の強さは「口を閉じるスピード」に関係しています。 例えば、ドアを閉める時を想像してみてください。 ゆっくり閉めれば音はしませんが、勢いよく閉めれば「バタン!」と大きな衝撃が走りますよね。噛む力もこれと同じで、噛むスピードが2倍になれば、歯にかかる衝撃は4倍になると言われています。

噛むスピードをドアの閉め方に例えた図:静かに閉めると衝撃は小さく、勢いよく閉めると衝撃が大きい。噛むスピードが2倍になると歯への衝撃は4倍

硬いものが好きな方は、「硬いから勢いよく噛もう」と脳が判断しがちです。 歯を守るためには「ドアを静かに閉めるように、ゆっくり噛む」ことを意識してみてください。これだけで、歯が割れるリスクをぐっと減らすことができます。


今日からできるTCH改善トレーニング3ステップ

「無意識の癖なんて直せるの?」と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。 癖は後から身についたものなので、意識を変えることで改善が期待できます。
ここでは、日中の食いしばりや接触癖(TCH)を減らすための3つのステップをご紹介します。

ステップ1:自分を観察する

まずは、「自分がどんな時に歯を合わせているか」を知ることから始めましょう。 1日の中で時計を見た時などに、「今、歯が触れていたかな?」と確認してみてください。 「スマホを見ている時」「料理をしている時」など、自分の癖が出やすいタイミングをメモしておくと効果的です。

ステップ2:舌を正しい位置へ

上下の歯が触れていることに気づいたら、すぐに離しましょう。 この時、舌の先を「上の前歯の付け根から少し後ろ(上顎)」に軽くつけるのがポイントです。ここに舌があると、自然と上下の歯は離れ、顎の力が抜けたリラックス状態(安静位)になります。 「歯を離す」ことよりも「舌を正しい位置に置く」ことを意識するのがコツです。

ステップ3:繰り返す

これを数ヶ月続けてみましょう。日中の意識が変わってくると、不思議なことに、コントロールが難しい「寝ている間の歯ぎしり」も自然と減ってくることが多いのです。

TCH改善の3ステップ:自分の癖を観察する、舌の先を上の前歯の付け根の少し後ろに置いて歯を離す、数か月続ける

マウスピースだけでは不十分?本当に大切なこと

「寝ている時の歯ぎしりが心配だからマウスピースを作りたい」というご相談もよくいただきます。 もちろんマウスピースは歯を守る有効な手段ですが、それだけでは「食いしばる力そのもの」をなくすことはできません。

マウスピースは歯にかかる力を分散して守るが、食いしばる力そのものは止められないことを示す図

まずは日中の「歯が触れていないかな?」という気づきから始めてみませんか?

大切な歯は、一生使うかけがえのない財産です。「特に症状はないけれど少し気になる」そんな段階でも、どうぞ遠慮なくご相談ください。
いわき市中央台の酒井歯科医院では、虫歯や歯周病だけでなく、“歯にかかる力”まで含めて総合的にサポートいたします。大切な歯を長く使い続けるために「力のコントロール」に取り組んでいきましょう。
一緒に、歯を長持ちさせる習慣を育てていきましょう。

「唇は閉じて、歯は離す」を呼びかけるメッセージのイラスト

歯が割れることに関するよくあるご質問

Q. 歯にヒビが入っているかどうか、自分で分かりますか?

A. ヒビはとても細く、鏡で見てもほとんど分かりません。「噛んだ瞬間だけピリッと痛む」「冷たいものがしみる」「特定の歯で噛むと違和感がある」といった症状が手がかりになります。歯科医院では、歯に光を当てたり、特定の部分で噛んでいただいたりして確認します。気になる症状があれば、早めにご相談ください。

Q. ヒビが入った歯は治りますか?

A. ヒビは自然に治ることはありません。表面のエナメル質にとどまる浅いヒビであれば、経過を見たり、詰め物や被せ物で歯を守ったりして使い続けられることが多いです。一方、ヒビが歯の根まで達して割れてしまうと、抜歯が必要になることもあります。ヒビが深くなる前に、力の負担を減らすことが大切です。

Q. 神経を取った歯は割れやすいのですか?

A. はい。神経を取った歯は、内側からの水分や栄養が届かなくなるため、もろくなり、割れやすい傾向があります。根の部分が割れる「歯根破折」は、神経を取った歯を失う大きな原因の一つです。被せ物で歯を守るとともに、TCHや歯ぎしりなどの力を減らすことが、歯を長持ちさせることにつながります。

Q. 硬いものは食べないほうがいいですか?

A. 硬いものを無理に避ける必要はありません。大切なのは「何を食べるか」より「どう噛むか」です。勢いよく噛まず、ゆっくり噛むことを意識してください。ただし、氷や飴を噛み砕く習慣は、歯に大きな衝撃がかかるので控えましょう。


合わせてお読み下さい

いわき市中央台で歯医者をお探しの方は、酒井歯科医院のトップページもぜひご覧ください。診療内容や予防歯科への取り組み、医院の特徴などをご紹介しています。

執筆・監修歯科医

歯にかかる“力”まで考える歯科医師

酒井直樹

医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長 / 院長

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