インビザライン(マウスピース矯正)の治療を始めた方のための実践ガイドです。1日の装着時間や交換・洗浄・保管といった毎日の「10のお約束」から、交換直後の痛み、アタッチメントが外れたとき、アライナーを失くしたときなど「困ったとき」の対処法まで、治療を成功させるために必要なことを、いわき市の酒井歯科医院がまとめました。治療中は、いつでもこのページに戻ってきてください。
ようこそ! そして、おめでとうございます!
いよいよ、理想の歯並びを手に入れるための新しいスタートですね。おめでとうございます。
これから治療のゴールまで、あなたのパートナーになるのが「アライナー」です。アライナーとは、透明で薄いプラスチック製の、取り外しできるマウスピース型の矯正装置のこと。これを毎日つけ替えながら、少しずつ歯を動かしていきます。上手に付き合っていくために、いくつかの大切な「お約束」があります。

このページは、治療が始まったばかりのあなたが、いつでも基本に立ち返れる”お守り”のようなガイドです。「あれ、どうするんだっけ?」と迷ったときは、ブックマークしたこのページを開いてみてください。
下の動画では、院長が『10のお約束』を約4分でわかりやすくお話ししています。あわせてご覧ください。
【基本編】アライナーとの毎日のお約束
インビザライン治療の成功は、実はこれからご紹介する毎日の小さな習慣を続けられるかどうかにかかっています。難しいことは一つもありません。一緒に慣れていきましょう。
① お食事と歯みがき以外は、1日20時間以上つける
アライナーは、お口に入れている間だけ歯に力がかかります。装着時間が短いと歯は計画どおりに動かず、治療期間が延びてしまう最大の原因になります。「食べるとき」と「歯をみがくとき」以外は、常につけていることを目標にしてください。
つけ忘れて外したままの時間が積み重なると、それだけで歯は元へ戻ろうとします。1日のうち”外している時間”を、合計2時間以内に収めるイメージを持つと続けやすくなります。
② アライナーの正しい着脱方法
外すときは、奥歯の内側に指を引っかけ、ゆっくり浮かせるように外します。つけるときは、まず前歯から合わせ、次に奥歯へと指で均等に押し込み、しっかりフィットさせます。爪を傷めないよう、無理な力は禁物です。


③ お食事のときは必ず外す
アライナーをつけたまま食事をすると、割れたり変形したりする原因になります。色の濃い食べ物で着色することもあります。お食事の前には、必ず外して専用ケースに保管しましょう。
④ 食べたら、歯をみがいてから つけ直す
食後に歯をみがかずアライナーをつけると、食べカスや糖分を歯の表面に長時間”パック”することになり、むし歯のリスクが一気に高まります。矯正中の歯みがきにはフロスや歯間ブラシも取り入れ、これまで以上にていねいに。外出先で難しいときも、できる範囲でうがいをして、帰宅後すぐにみがく習慣をつけましょう。
⑤ つけている間の飲み物は「お水」だけ
お茶・コーヒー・ジュースなどは、アライナーの着色の原因になるだけでなく、歯とアライナーのすき間に色や糖分が入り込み、着色やむし歯につながります。装着中に飲んでよいのは、無色透明の「お水」だけ、と覚えてください。熱い飲み物は変形の原因にもなります。
下の図は、ペットボトル飲料に含まれる糖分を角砂糖に置き換えたものです。何気ない一杯が、いかに大きなリスクになるかがわかります。

⑥ 決められた日に、次の番号のアライナーへ交換する
アライナーは、決められたスケジュール(通常7〜14日ごと)で、ご自身で次の番号のものへ交換していただきます。交換日を忘れないよう、カレンダーやスマホのリマインダーに印をつけておくのがおすすめです。番号の順番は必ず守ってください。
⑦ 新しいアライナーは「チューイー」でしっかり密着させる
チューイーとは、アライナーを歯にしっかり密着させるための、シリコン製の弾力のある小さなチューブです。新しいアライナーに替えたら、これをすべての歯でまんべんなく噛み込みます。これでアライナーが歯にぴったり密着し、矯正の効果を最大限に引き出せます。特に交換直後の数日は、意識して噛みましょう。


【お手入れ・通院編】清潔に、そして計画どおりに
⑧ 毎日、正しく洗浄する
アライナーは、指や柔らかい歯ブラシを使って、流水でやさしくこすり洗いします。着色や汚れが気になる方は、おすすめの洗浄・お手入れグッズもご相談ください。
歯みがき粉はNG。研磨剤が表面に細かい傷をつけ、そこに汚れや着色が入り込みます。また熱いお湯は変形の原因になります。洗浄は必ず「水」か「ぬるま湯」で行ってください。

⑨ 外したら、必ず専用ケースに保管する
外したアライナーを、ティッシュやナプキンに包んで置くのは絶対にやめてください。外食先などで、うっかりゴミと一緒に捨ててしまう…これが紛失の最も多い原因です。外したら、その場で必ず専用ケースに入れる。これを徹底しましょう。
ペットや小さなお子さんが誤って噛んでしまう事故もあります。ケースごと、手の届かない場所に保管してください。

⑩ 定期的な通院を欠かさない
マウスピース矯正は通院回数が少なくて済む治療ですが、”ゼロ”ではありません。1〜3か月に一度の定期チェックで、歯が計画どおり動いているか、むし歯やお口のトラブルが起きていないかを確認します。順調に見えても、必ず予約どおりにご来院ください。小さなズレを早めに見つけることが、遠回りを防ぎます。
こんな時どうする?(治療中のよくあるお悩み)
新しいアライナーに替えたら痛い・締めつけられる
交換した直後に、歯が押されるような痛みや締めつけ感を覚えることがあります。これは歯が動いている証拠で、多くは2〜3日でやわらぎます。痛みが心配な方は、夜の就寝前に新しいアライナーへ交換すると、寝ている間に慣れやすくおすすめです。がまんできない痛みが続く場合は、ご連絡ください。
アライナーが浮く・すき間ができる
装着時間が足りていないか、チューイーでの密着が不十分なことが主な原因です。まずは装着時間を見直し、チューイーをしっかり噛んでみてください。それでも大きく浮く場合は、無理に次へ進めず、ご連絡ください。
しゃべりにくい・発音しづらい
つけ始めは、サ行やタ行が言いにくく感じる方がいます。これは一時的なもので、ほとんどの方が数日〜1週間ほどで慣れ、気にならなくなります。声に出して本を読むなど、少し多めに話すと早く慣れます。
外出先で歯みがきができない
理想は毎回の歯みがきですが、難しいときは、水でしっかりうがいをしてからアライナーを戻し、帰宅後できるだけ早くていねいにみがきましょう。携帯用の歯ブラシやデンタルフロスを持ち歩くと安心です。
タバコ・ガム・アメはいいの?
アライナーをつけたままの喫煙は、着色・変色の原因になります。ガムはアライナーに貼りつき、アメは糖分と「装着中の飲食」にあたるため、いずれも装着中は避けてください。どうしてもという時は外し、その後は歯みがき(またはうがい)をしてから戻してください。
「困った!」が起きた時のQ&A
Q. アタッチメントが外れてしまったら?
アタッチメントとは、歯の動きを助けるために歯の表面につける、歯と同じ色の小さな突起です。これが外れても、多くの場合すぐに大きな問題にはなりません。慌てず、まずは医院(0246-31-1000)へお電話ください。次回のご来院時に、付け直しが必要か、そのまま様子を見てよいかをご案内します。

Q. アライナーを失くした/割れてしまったら?
すぐに医院(0246-31-1000)へご連絡ください。そして、指示があるまでは必ず「一つ前のアライナー」を代わりにつけておいてください。何もつけない時間が続くことが、歯並びに最も悪影響を及ぼします。割れてしまった場合も、何もつけないよりは、割れたものをそのままつけておくほうが確実です。だからこそ、一つ前のアライナーは必ず保管しておいてください。
Q. 装着時間が足りなかった日があったら?
責めるより、まず立て直すことが大切です。翌日からしっかり20時間以上を守り、アライナーが浮くようならチューイーで密着させてください。数日続けても合わない・浮くと感じる場合は、正直にお知らせください。無理に次へ進めず、一緒に調整します。自己判断で番号を飛ばすのは避けてください。
Q. 交換の日を過ぎてしまったら?
気づいた時点で交換して問題ありません。ただし、大きく日数が空いてアライナーがきつく感じる・入りにくい場合は、無理に押し込まず、一つ前のアライナーに戻してからご連絡ください。
Q. 旅行や出張のときの注意は?
予備として「一つ前」と「一つ先」のアライナーを一緒に持って行くと安心です。専用ケース・携帯用歯ブラシ・チューイーも忘れずに。長期の旅行で交換日をまたぐ場合は、事前にご相談ください。
治療のゴールと”その後” ― リテーナー(保定)のこと
歯並びが美しく整えば、治療はゴール…と言いたいところですが、実はここからが大切です。歯は油断すると元の位置に戻ろうとします(後戻り)。これを防ぐのが「リテーナー」です。リテーナーとは、動かした歯が元の位置に戻る「後戻り」を防ぐために、治療後に装着する保定装置のこと。治療中の今から、次の3つだけ覚えておいてください。
- 指示された時間、毎日つける(多くは就寝中)
- アライナーと同じく、絶対になくさない・こわさない
- 保定期間中も、定期チェックを続ける
「後戻り」が起こる仕組みや、当院のリテーナー(費用はトータルフィーに3枚分を含みます)について詳しくは、マウスピース矯正のご案内ページで解説しています。
あなたは、一人ではありません
治療中は、さまざまな疑問や小さなトラブルが起こるかもしれません。そんなとき、あなたは決して一人ではありません。私たち酒井歯科医院のチーム全員が、あなたのサポーターです。
どんな些細なことでも、不安があれば一人で悩まず、すぐにご連絡ください。ゴールまでの長い道のりを、私たちがずっと伴走いたします。
迷ったとき・困ったときは、まずお電話を。
☎ 0246-31-1000(受付 9:00–12:30/13:30–17:30 木・日・祝・土曜午後は休診)
執筆・監修歯科医
ゴールまでの長い道のり
私たちが伴走します
理事長・院長
酒井直樹
SAKAI NAOKI
経歴
- 1980年 福島県立磐城高等学校卒業
- 1988年 東北大学歯学部卒業
- 1993年 酒井歯科医院開院
- 2020年 医療法人SDC設立 理事長就任
所属学会・勉強会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本顎咬合学会
- 日本口育協会
- 日本歯科医師会
- 日本歯周内科学研究会
- ドライマウス研究会



