口腔機能トレーニングとは、お子さんの唇・舌・顎の筋肉を遊びながら鍛え、口呼吸や「お口ポカン(口唇閉鎖不全)」を改善するための訓練法です。いわき市中央台の酒井歯科医院では、口育士在籍のスタッフが、ご家庭で毎日続けられる方法を「姿勢 → お口・唇 → 舌」の3ステップでわかりやすくご紹介します。
お口ぽかん、”様子見”で大丈夫?
「うちの子、気づくと口が開いている」「食べ物をうまく噛めていないみたい」・・・そんなお口のサインは、放っておくと将来の歯並びやお顔立ち、睡眠や集中力にまで影響することがあります。「たかが口呼吸」と侮らず、早めに気づいてあげることが何よりの近道です。

口呼吸は一度クセになると自然には治りにくいと言われています。だからこそ、遊びの延長で毎日少しずつ「正しいお口の使い方」を身につけることが大切です。
まずはチェック!こんなサインはありませんか?
お口ぽかんの裏には、鼻づまりや舌・唇の筋力不足などの原因が隠れていることがあります。まずはお子さんの普段の様子を、次のポイントで見てみましょう。

1つでも当てはまったら、一度ご相談ください。当院ではりっぷるくんによる口唇閉鎖力の数値測定で、お子さんのお口の状態を客観的にチェックできます。
改善のコツは「姿勢 → お口・唇 → 舌」の3ステップ
お口ぽかんの改善は、いきなり「口を閉じなさい」と言うだけではうまくいきません。
- ①正しい姿勢という土台をつくり
- ②お口・唇の力を鍛え
- ③舌を正しく使えるようにする
この順番で積み上げるのが口周りの筋肉を鍛えるのに役立ちます。ここからは3つのステップに沿って、ご家庭でできるトレーニングをご紹介します。
STEP1 まずは”姿勢”を整えよう
意外に思われるかもしれませんが、お口ぽかんは「姿勢」と深く関係しています。背中が丸まり頭が前に出た姿勢では、口が開きやすく呼吸も浅くなりがちです。姿勢が整うと呼吸がしやすくなり、自然に口を閉じやすくなります。「口を閉じなさい」の前に、まずは座り方から見直してみましょう。

今日からできる姿勢の3つのポイント(①足の裏を床や足台にしっかりつける ②画面や本は目線の高さに ③外遊びで体幹を育てる)は、ご家庭でできることのページで詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
STEP2 ”お口・唇”のトレーニング
唇を閉じる力(口唇閉鎖力)は、食べこぼしを防ぐだけでなく、鼻呼吸や歯並びにも関わる大切な力です。最近は柔らかい食べ物が増え、唇に力が入らないお子さんが増えています。遊びながら口周りの筋肉を鍛えていきましょう。

🔸口唇閉鎖力を高める「りっぷるトレーナー」
りっぷるトレーナーを唇にはさみ、遊び半分で引っ張り合いをしてみましょう。「りっぷるくん」という測定器で口唇閉鎖力を数値化でき、早期に改善することで口呼吸・鼻閉・いびき・アレルギーなどの軽症化も期待できます。



りっぷるくんの詳細はこちら
🔸口呼吸を鼻呼吸へ導く「あいうべ体操」
福岡・みらいクリニックの今井一彰先生が考案した体操です。食後に10回・1日30回を目安に続けると舌力がつき、自然に口を閉じられるようになると言われています。口呼吸の改善はアレルギー性疾患の症状改善につながることもあります。

考案者の今井一彰先生のYouTube動画はこちら
🔸噛む力を育てる「チューイングブラシ」
「よく噛まないんです」というご相談が増えています。割り箸などを横にして、それほど力を入れずに噛み続けてみてください。口腔機能発達不全のお子さんは、顎がすぐ疲れて噛み続けられないことが多いのです。

🔸ブクブクうがいで鍛える「お口の筋力」
当たり前に思える「ブクブクうがい」ができないお子さんが増えています。入浴時の遊びの一つとして、ぜひチャレンジしてみてください。たかが「うがい」と侮ることなかれ、です。



🔸道具なしでできる「お口遊び」3選
特別な道具がなくても、遊びながらお口周りの筋肉を鍛えられます。あっぷっぷ遊び・ベロでこんにちは遊び・お口じゃんけんは、親子で楽しめる手軽なトレーニングです。

さらに、口笛が吹けるお子さんは口唇閉鎖力がしっかり育っています。紙風船・吹き戻し・笛ラムネなど「口遊び」も、遊びの延長で唇の力を鍛えるのにぴったりです。



STEP3 ”舌”のトレーニング
舌は筋肉の塊です。筋力が弱まると舌全体が下がる「低位舌」になり、歯並びの乱れや将来の睡眠時無呼吸症候群の一因になることもあります。健康な舌は、リラックス時に口蓋(上あご)へベッタリとくっついているのが正常です。まずはお子さんの舌が正しく使えているかをチェックしましょう。
まずは”舌”をチェック!4つのポイント
①普段どこに舌があるか ②舌を上手に動かせるか ③舌を持ち上げられるか ④正しく飲み込めているか。この4つがそろって、お子さんのお口は健やかに育ちます。


🔸舌の力を育む「ベロのトレーニング」
お子さんが水をゴックンと飲む時、ホッペタの動きに違和感はありませんか?お口の機能は噛むだけではなく、嚥下(えんげ)という飲み込む動作も重要です。ベロの動きが悪くうまく飲み込めないお子さんが増えており、放置すると将来的に口腔機能低下症に至ることもあると言われています。

🔸鏡の前でやってみよう「かんたん舌あそび」
正しい舌の位置を覚えるには、鏡の前で舌を動かす遊びが口周りの筋肉を鍛えるのに役立ちます。①ベーッと前に出す ②舌先を上に持ち上げる ③右・左へ動かす ④唇の周囲をなめる ⑤上あごにつけて「ポンッ」と音を鳴らす。毎日少しずつ続けることが大切です。


もっとたくさんのトレーニングに挑戦してみよう!
このページでご紹介したトレーニング以外にも、お子さんの口輪筋・舌・頬の筋肉を楽しく鍛えるアクティビティがたくさんあります。唇マッサージ・シャボン玉遊び・舌回し・バルーンチークなど、遊び感覚でできるものばかりです。ぜひご家庭でいろいろと試してみてください。
小児口輪筋トレーニング[PDF資料]
唇マッサージ・コップ飲み・シャボン玉遊び・舌回し・バルーンチークなど、全14種類のトレーニングをイラスト付きでわかりやすく解説しています。印刷してご家庭でご活用ください。
📥 PDFをダウンロードするまとめ:お子さんの未来の笑顔は毎日の「遊び」から育まれます
「口腔機能発達不全症」という難しい言葉に身構える必要はありません。大切なのは、お子さんが毎日楽しくお口を動かす習慣を身につけることです。「姿勢 → お口・唇 → 舌」の3ステップを、遊び感覚で少しずつ続けていきましょう。その積み重ねが、健康的できれいな歯並びと素敵な笑顔へと繋がります。
当院では口育士の資格を持つスタッフが多数在籍し、お子さんのお口の状態を丁寧にチェックしてご家庭でできるトレーニングを具体的にアドバイスしています。本格的な小児矯正治療を考える前に、ぜひ一度ご相談ください。小児予防矯正(咬合育成)として、いわき市中央台の酒井歯科医院がお子さんの成長を総合的にサポートします。
よくあるご質問
Q. 口腔機能トレーニングは何歳から始めればよいですか?
早ければ早いほど効果的で、3〜4歳頃から取り組めるものがほとんどです。乳歯が生えそろう3歳前後を目安に、遊び感覚で始めるのがおすすめです。気になる症状があれば年齢に関わらずお気軽にご相談ください。
Q. 自宅でのトレーニングだけで改善できますか?
軽度の場合はご家庭でのトレーニングで大きく改善することがあります。ただし歯並びへの影響が出ている場合や症状が強い場合は、プレオルソ治療など専門的なアプローチが必要です。まずはご相談ください。
Q. 「あいうべ体操」は毎日続けないと効果がありませんか?
継続が大切です。食後に10回・1日30回を目安に続けることで舌の筋力がつき、自然に口を閉じられるようになります。1〜2か月継続すると変化を感じやすいと言われています。
Q. お口ポカンと歯並びはどう関係しますか?
口が常に開いた状態では舌が上顎を押す力が弱まり、上顎の発育不足や歯列の乱れにつながります。また口呼吸は虫歯・歯周病リスクも高めるため、早めの対処が重要です。
Q. 酒井歯科医院ではどのような指導を受けられますか?
口育士の資格を持つスタッフがお子さんのお口の状態を評価し、ご家庭でできる具体的なトレーニングをご提案します。りっぷるくんによる口唇閉鎖力の数値測定も行っています。
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執筆・監修歯科医
未来の笑顔は
毎日の遊びから育まれる
理事長・院長
酒井直樹
SAKAI NAOKI
経歴
- 1980年 福島県立磐城高等学校卒業
- 1988年 東北大学歯学部卒業
- 1993年 酒井歯科医院開院
- 2020年 医療法人SDC設立 理事長就任
所属学会・勉強会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本顎咬合学会
- 日本口育協会
- 日本歯科医師会
- 日本歯周内科学研究会
- ドライマウス研究会




