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口腔機能の発達と改善

子供の「お口ぽかん」は要注意?口呼吸が招く3つのリスクと家庭でできる遊びトレーニング

子供の「お口ぽかん(口唇閉鎖不全症)」は口呼吸の習慣につながり、歯並びの悪化・虫歯や歯周病のリスク増加・風邪などの感染症にかかりやすくなるという3つのリスクが指摘されています。日本の子供の約30.7%(3人に1人)にこの状態が見られるとされており、決して珍しいことではありません。
本記事では、口呼吸がもたらすリスクの仕組みと、ご家庭で今日から楽しくできる口輪筋トレーニングを歯科医師の立場からわかりやすく解説します。

なぜ「お口ぽかん(口唇閉鎖不全症)」が問題なのか?

「お口ぽかん」とは、意識していないと自然と口が開いてしまう状態のことで、医学的には「口唇閉鎖不全症(こうしんへいさふぜんしょう)」と呼ばれます。口が開いたままになると鼻ではなく口で呼吸する「口呼吸」が習慣化しやすく、歯並びや口腔内環境、さらには感染症リスクにも影響することが指摘されています。

ご家庭でお子さんを見ていて、こんなことはありませんか?

・テレビやYouTubeに集中していると、口が開いている
・寝ているとき、口が開いている
・気がつくと「お口ぽかん」の状態になっている

口が開いた状態で口呼吸をしている様子を拡大表示したイラスト

「子供らしくてかわいい」と見過ごしてしまいがちですが、お口ぽかんの状態が続くと、お口や全身の健康に影響するサインかもしれません。

お口ぽかんは口呼吸のサインで全身の健康に影響することを示す図解

日本の子供の「3人に1人」がお口ぽかん?

ある調査によると、日本人の子供の約30.7%、つまり「3人に1人」に、日常的に口が開いてしまう口唇閉鎖不全症の状態が見られるとされています。

日本の子供3人に1人がお口ぽかん状態とされる統計を示す図解

「うちの子だけじゃないんだ」と安心される方もいるかもしれません。しかし、口が常に開いていると口呼吸が習慣化しやすく、専門家からは大きく分けて「3つのリスク」が指摘されています。

日本の子供の約30.7%が口唇閉鎖不全症とされる説明イラスト

「お口ぽかん」が招く3つのリスク

口が開いた状態が習慣化すると、なぜ問題が生じるのでしょうか。歯科医師の立場から、主な3つのリスクを解説します。

お口ぽかんが歯並び悪化・虫歯リスク・ウイルス感染につながることを示す図解

1.歯並びへの影響

お口が閉じているとき、唇は歯を外側から内側へ押さえる役割をしています。ところが、口が開いたままだとこの抑える力が働かなくなります。
その結果、前歯が外に出やすくなるなど、歯並びに影響が出る可能性があります。

正常な口腔状態と口が開いた状態を比較した図解。唇の抑える力が弱まり前歯が前方へ出やすくなる様子

2.虫歯・歯周病のリスク

お口の中は本来、唾液によって潤い、守られています。
ですが、口呼吸によって口の中が乾燥すると唾液の作用が弱まり、虫歯菌や歯周病菌が増えやすい環境になってしまいます。
唾液には「自浄作用」「抗菌作用」「再石灰化作用」などの大切な働きがあります。その力を十分に活かせなくなることが問題なのです。

唾液がある健康な口腔内と乾燥して菌が増殖した口腔内を比較した図解
口呼吸により歯並びが悪化し虫歯リスクが高まることを示すイラスト

3.風邪やウイルスへの感染リスク

鼻呼吸であれば、鼻がフィルターの役割を果たし、ウイルスや細菌の侵入を防いでくれます。ですが、口呼吸ではそれらが直接体内に入りやすくなります。
そのため、風邪を引きやすくなるなどのリスクが高まると言われています。

口呼吸によりウイルスや細菌が侵入しやすくなることを示す図解
鼻呼吸と口呼吸の機能の違いを比較した図解

大人も油断禁物!「口呼吸」と口周りの筋力低下チェック

「これは子供だけの問題」と思っていませんか?口呼吸や口周りの筋力低下は大人にも起こります。次のような症状に心当たりはありませんか?

・食事のときにクチャクチャと音がする
・食べこぼしが多い
・いびきをかく

これらはお口周りの筋肉(口輪筋など)が弱まっているサインの可能性があります。大人の場合も口呼吸が続くと虫歯や感染症のリスクに影響しますので、意識的に鼻呼吸を心がけることが大切です。

口周りの筋力低下により食事中の音やいびきが起こる様子のイラスト

お家で楽しく!今日からできる「お口のトレーニング」

「口を閉じなさい!」と注意するだけでは、お子さんにとってもストレスになりがちです。そこで、遊び感覚で口輪筋を鍛えられるトレーニング法をご紹介します。日常生活に取り入れやすいものばかりです。

昔ながらの玩具「吹き戻し」

お祭りで見かける「吹き戻し(ピロピロ笛)」は、口周りの筋肉を鍛えるのに役立つとされています。息を吹いて伸ばす動作が口輪筋のトレーニングになり、数回繰り返すだけでも筋肉を使っている感覚が得られます。100円ショップでも手軽に入手できます。

ストローでぶくぶく

コップの水にストローを入れてブクブクと泡立てる遊びも、口輪筋のトレーニングとして効果的とされています。道具いらずで今日から始められるのが魅力です。
※こぼれやすいので、お風呂場で行うのもよいでしょう。

吹き戻しやストロー遊びで口輪筋を鍛える家庭でできるトレーニングのイラスト
口唇閉鎖不全症の原因と口輪筋トレーニングによる改善を示す図解

よくある質問

Q. お口ぽかんとはどういう状態ですか?

意識していないと自然に口が開いてしまう状態のことで、医学的には「口唇閉鎖不全症(こうしんへいさふぜんしょう)」と呼ばれます。口呼吸の習慣につながりやすく、歯並びの悪化・虫歯や歯周病のリスク増加・感染症にかかりやすくなるといった影響が指摘されています。

Q. 子供の口呼吸は自然に治りますか?

成長とともに改善するケースもありますが、習慣化した口呼吸を放置すると歯並びや顎の発育に影響が出ることがあります。「なんとなく口が開いていることが多い」と感じたら、定期検診の際にご相談いただくのがおすすめです。

Q. 家庭でできる口呼吸の改善方法はありますか?

吹き戻し(ピロピロ笛)やストローでぶくぶくなど、遊び感覚で口輪筋を鍛えるトレーニングが有効とされています。特別な道具は不要なものも多く、毎日少しずつ続けることが大切です。症状が気になる場合は歯科医院での相談もご検討ください。


お口のことは、お気軽にご相談ください

「お口ぽかん」は単なる癖ではなく、口輪筋の筋力不足や鼻疾患(アレルギー性鼻炎など)が関係していることもあります。

「うちの子、いつも口が開いているかも?」
「歯並びや口呼吸が気になる…」

そう感じたら、まずはご家庭でお口を閉じることを優しく声がけしたり、ご紹介したトレーニングを取り入れてみてください。それでも気になる場合は、定期検診の際にお気軽にご相談ください。
お口の健康を整えることが、全身の健やかさにもつながります。

歯科医院のスタッフが家族に寄り添い口腔健康をサポートするイメージイラスト

合わせてお読み下さい


酒井歯科医院では、虫歯や歯周病の治療だけでなく、再発を防ぐ予防歯科にも力を入れています。医院の診療方針や診療内容については、酒井歯科医院トップページからご覧いただけます。

執筆・監修歯科医

お口ぽかんに気づいたら
早めのケアを

酒井直樹

医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長 / 院長

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