歯科用麻酔薬の不足は2026年現在も断続的に続いていますが、歯科治療が受けられなくなる状況ではありません。多くの歯科医院では複数の仕入れルート確保や在庫管理の工夫により、通常通りの診療が行われています。本記事では、いわき市中央台の酒井歯科医院の院長が、麻酔薬不足の背景・現在の品薄状況・患者さんへの影響と当院の対策について、現場の視点からわかりやすく解説します。
こんにちは。いわき市中央台の酒井歯科医院です。
2026年に入っても「歯科用麻酔薬 不足」「歯科 麻酔 品薄」といったキーワードで当院ホームページへのアクセスが続いています。医薬品不足のニュースを見て「治療はちゃんと受けられるの?」「麻酔は大丈夫?」と不安に感じている方のために、現状をお伝えします。
歯科用麻酔薬不足はいつから問題になっているの?
歯科用局所麻酔薬の供給不安が全国的に話題となったのは、今回が初めてではありません。最初のきっかけは2021年前後の新型コロナウイルスの流行です。
ワクチン製造が本格化した当時、麻酔薬の製造工程で使われる無菌フィルターや一部原材料がワクチン製造に優先的に回されました。その結果、歯科用麻酔薬の生産量が落ち込み、メーカーによる出荷調整(出荷制限)が行われました。

その後いったんは落ち着きを見せましたが、医薬品全体の供給不安やメーカーの生産体制見直しが重なり、2023〜2026年にかけて周期的に品薄が繰り返されているのが実情です。
なぜ2026年になっても麻酔薬不足が続いているの?
2026年現在も医療用医薬品の供給不安は続いており、歯科用麻酔薬も例外ではありません。主な要因は「医薬品全体の構造的な不足」「製造メーカーの少なさ」「医院側の予防的な発注行動」の3点です。
医薬品全体の「薬不足」問題
近年、製薬メーカーの生産停止・回収・人員不足・原料の高騰などが重なり、全国の医療機関で「薬が届きにくい」状況が続いています。鎮痛薬・抗生剤・咳止めなどさまざまな分野で不足が起きており、歯科用麻酔薬もその波を受けていると言えます。
限られたメーカーによる生産体制
歯科用の局所麻酔薬は、供給しているメーカーが多くありません。そのため、どこか1社の生産ラインにトラブルが起こると現実問題として全国の在庫に大きな影響が出てしまいます。設備の点検・更新や品質管理のための一時的な製造停止があると、その間はどうしても供給が細くなってしまうのです。
「念のため」の発注が品薄を加速させることも
「麻酔が不足するらしい」という情報が流れると、各歯科医院は患者さんへの影響を避けるために余裕を持った発注をします。私自身も実際にそうしています。これは安全のための行動ですが、結果として一時的な”買いだめ”状態が起こり、流通在庫が一気に減ることがあります。
こうした要因が重なり、地域や時期によっては「納品まで時間がかかる」「希望数が入荷しない」といった状況が生じています。
2026年現在の最新状況
2026年4月末現在、歯科用麻酔薬の供給状況は「完全に解消された」とは言えない状態が続いています。一部の製品では納期が不安定なケースも報告されており、引き続き注意が必要な状況です。当院では後述の対策により、現時点で診療への影響は生じておりません。

麻酔薬が足りないと・・・治療はどうなる?
結論からお伝えすると、歯科用麻酔薬が不足していても、適切に管理している歯科医院では通常通りの治療が受けられます。患者さんが麻酔なしで治療されたり、急に治療が中断されたりする状況は、適切に管理された医院では起こりません。
- 「麻酔がないと、痛いまま削られちゃうの?」
- 「抜歯や根の治療が延期になることはあるの?」
結論からお伝えすると、当院では現時点で通常通りの診療が行えており、麻酔薬不足による治療延期などは発生しておりません。その理由を、もう少し具体的にご説明します。

当院で行っている「安定した麻酔薬供給」のための工夫
酒井歯科医院では、麻酔薬の安定供給のために以下の3つの対策を講じており、2026年現在も通常通りの麻酔処置が行えています。
複数の仕入れルートを確保
当院では、1社の卸業者さんだけに依存せず、複数の業者さんから情報を得ながら麻酔薬を分散して仕入れるようにしています。あるルートが一時的に欠品しても別ルートでカバーできるようにしておくことで、在庫切れのリスクを可能な限り抑えています。
過不足のない在庫管理
使用期限の関係から「たくさん持てば安心」というわけにはいきません。在庫が過度に集中するとかえって全体の流通に悪影響を及ぼします。当院では過去の使用量と出荷状況を踏まえ、「多すぎず、少なすぎず」の適正在庫を維持することを心がけています。
複数の麻酔薬を使い分けられる体制
薬の種類によって成分や濃度・作用時間が少しずつ異なります。当院では、複数の麻酔薬を組み合わせて使用できる体制を整えており、もし特定の銘柄の入荷が不安定になっても他の薬剤でカバーできるように工夫しています。

今後の見通しと、患者さんにお伝えしたいこと
医薬品の供給不安がすぐにゼロになるとは考えにくい状況です。国・メーカー・流通業者が連携して改善を進めていますが、完全に落ち着くまでにはもう少し時間がかかる見込みです。
当院では引き続き情報収集と在庫管理を徹底し、「いわき歯科医師会」や取引業者とも連携しながら、診療に支障が出ないよう努めてまいります。
ニュース報道などを見てご不安になった場合は、受診時に遠慮なくお声がけください。
まとめ:安心して治療をお受けください
歯科用麻酔薬の不足は全国的な医薬品供給問題の一部であり、2026年現在も完全には解消されていません。しかし当院では現時点で通常通りの麻酔処置・歯科治療が行えており、皆さまにご不便をおかけする状況にはなっておりません。
これからも地域の皆さまが安心して通える「かかりつけ歯科医院」であり続けるよう、スタッフ一同、日々の診療体制の整備と情報収集に努めてまいります。ご心配なことや気になる症状がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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よくある質問
Q. 歯科用麻酔薬が不足していると聞きましたが、今も治療は受けられますか?
A. はい、受けられます。当院では複数の仕入れルート確保と適正在庫管理により、2026年現在も通常通りの麻酔処置・歯科治療を行っています。
Q. 麻酔が足りなくて、痛いまま削られることはありますか?
A. ありません。当院では麻酔薬の在庫を適切に管理しており、麻酔なしで治療を行うことはございません。ご安心ください。
Q. 歯科用麻酔薬の不足はいつまで続きますか?
A. 明確な終息時期は現時点では不明です。国・メーカー・流通業者が連携して改善を進めていますが、2026年現在も断続的に供給不安が続いています。当院では状況を注視しながら、診療への影響が出ないよう対策を継続しています。
Q. 歯科用麻酔薬が不足している原因は何ですか?
A. 主な原因は3つです。①新型コロナ禍を機にした製造資材の不足、②製造メーカーが少なく1社のトラブルが全国に影響しやすい構造、③品薄情報による医院側の予防的な発注集中、です。
酒井歯科医院では、虫歯や歯周病の治療だけでなく、再発を防ぐ予防歯科にも力を入れています。医院の診療方針や診療内容については、酒井歯科医院トップページからご覧いただけます。
執筆・監修歯科医
医薬品不足の時代でも
安定した治療環境を守り続ける
理事長・院長
酒井直樹
SAKAI NAOKI
経歴
- 1980年 福島県立磐城高等学校卒業
- 1988年 東北大学歯学部卒業
- 1993年 酒井歯科医院開院
- 2020年 医療法人SDC設立 理事長就任
所属学会・勉強会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本顎咬合学会
- 日本口育協会
- 日本歯科医師会
- 日本歯周内科学研究会
- ドライマウス研究会




