「なんだか最近、歯がしみる」、「朝起きると顎がだるい」、「口を開けるのが辛い」・・・・ もしかしたら、そのお悩み、無意識のうちに行っているある習慣が原因かもしれません。私たちは普段、上下の歯が軽く離れているのが正常な状態です。しかし、パソコン作業に集中している時や、スマートフォンを見ている時、あるいはストレスを感じている時に、知らず知らずのうちに歯を食いしばってたりはされませんか?
それは「歯列接触癖(TCH)」、または「Tooth Contacting Habit」と呼ばれる無意識の癖かもしれません。この癖は、単なる習慣とあなどってはいけません。放置すると、歯や顎だけでなく全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。いわき市の酒井歯科医院では、TCHが引き起こす様々なトラブルとその対策について、詳しくお伝えしています。この記事を読んで、ご自身の歯を守る第一歩を踏み出しましょう。


無意識の「噛み締め癖(TCH)」が引き起こすトラブルとは?
普段は歯は接触していない
私たちが口を閉じている時、上下の歯は常に接触していると思われがちですが、実はほとんどの時間は接触していません。通常、上下の歯の間には2mmほどのわずかな隙間があり、会話や食事の時以外は歯が接触しないのが自然な状態です。この状態は、顎の筋肉や関節、そして歯そのものへの負担を最小限に抑えるために非常に重要です。


TCHは日中に無意識に行われる
ところが、現代社会において増えているのが、この「歯列接触癖(TCH)」です。これは、特定の作業に集中したり、ストレスを感じたりする際に、無意識のうちに上下の歯を接触させてしまう癖のこと。ひどい場合は、強い力で歯を食いしばってしまうこともあります。TCHは、歯ぎしりや食いしばりと混同されがちですが、実は少し異なります。歯ぎしりが睡眠中に起こることが多いのに対し、TCHは日中に無意識に行われることが特徴です。
歯への負担過多
この無意識の歯の接触が、様々な問題を引き起こします。まず、歯への過剰な負担です。歯が常に接触していることで、歯の表面がすり減ったり、ひびが入ったり、詰め物や被せ物が取れやすくなったりします。また、歯の根元に強い力が加わることで、くさび状欠損と呼ばれる歯の根元がV字型に削れる現象が起こりやすくなり、知覚過敏の原因にもなります。
歯周組織まで傷めてしまう
さらに、TCHは歯周病を悪化させる要因にもなり得ます。歯周病は、歯を支える骨が溶けてしまう病気ですが、TCHによって歯に不自然な強い力が加わると、歯周組織への負担が増大し、炎症が広がりやすくなるのです。また、顎関節にも負担がかかるため、顎関節症を引き起こし、口を開けにくい、顎がカクカク鳴る、顎が痛むといった症状が現れることもあります。
酒井歯科医院では、このようなTCHの詳しいメカニズムと、それが引き起こす歯や顎、そして全身への影響について、患者さん一人ひとりに合わせて丁寧に説明しています。
酒井歯科医院の強み:TCHの「なぜ?」を紐解き、根本から改善へ
「自分がTCHなのか、どうしたらわかるの?」「どうすればこの癖を治せるの?」そうお考えの方も多いのではないでしょうか。いわき市の酒井歯科医院では、単に症状を治療するだけでなく、TCHの因果関係の詳しい説明と、根本的な原因へのアプローチを重視しています。
当院では、まず患者さんのお話をじっくり伺い、口腔内の状態を詳細に診察します。日常生活での癖や習慣、ストレス状況など、TCHに繋がりうる要因を多角的に分析し、具体的な原因を特定していきます。そして、その原因とTCHがどのように結びついているのか、iPadに書き込んだ図や模型を使って視覚的に分かりやすくご説明します。患者さんご自身がご自身の状態を理解することが、改善への第一歩だと考えているからです。

TCHの治療においては、患者さんご自身による意識的な行動変容が非常に重要です。当院では、日中の意識づけを促すための簡単なセルフケア方法や、ストレス軽減のためのアドバイスなどを具体的に指導します。また、必要に応じてマウスピース(ナイトガード)の作成も行い、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりから歯を守り、顎への負担を軽減します。
さらに、酒井歯科医院ではメンテナンス重視の診療を心がけています。TCHは一度改善しても、日々の生活の中で再発する可能性がある癖です。そのため、定期的な検診とプロフェッショナルによるクリーニングを通じて、口腔内の健康状態を継続的にチェックし、TCHの再発予防や早期発見に努めています。
患者さんが安心して通えるよう、治療の経過や今後の見通しについても丁寧に情報提供を行い、二人三脚で健康な口腔環境を維持できるようサポートいたします。
当院の目標は、患者さんがご自身の歯を長く健康に保ち、快適な毎日を送っていただくことです。TCHでお悩みの方、もしかしたらTCHかもしれないと感じている方も、ぜひ一度いわき市の酒井歯科医院にご相談ください。
よくある質問と費用について
TCHに関して、皆様からよくいただくご質問とその回答、そして治療にかかる費用の目安についてご説明します。
Q1:TCHかどうか、自分で確認する方法はありますか?
A1:はい、いくつか簡単なセルフチェックがあります。これらの症状に心当たりがあれば、TCHの可能性があります。
- 日中、気づくと上下の歯が触れていることが多い。
- 頬の内側に白い線(噛みしめによる粘膜の圧痕)がある。
- 舌の縁に歯の跡がついている。
- 朝起きた時に顎の周りがだるい、凝っている感じがする。
- 歯に小さなヒビが入っている、知覚過敏がひどくなった。


Q2:マウスピースは必ず必要ですか?
A2:TCHの症状の程度や、歯や顎への影響によって異なります。日中の意識づけで改善が見られる方もいらっしゃいますが、睡眠中の歯ぎしりも併発している場合や、顎関節への負担が大きい場合には、歯や顎を守るためにマウスピースの装着をおすすめすることがあります。当院で適切に診断し、ご提案させていただきます。

Q3:TCHの治療は保険適用になりますか?
A3:TCHそのものに対する明確な保険診療というものはありませんが、TCHによって引き起こされる症状(顎関節症や知覚過敏、歯の損傷など)の治療は保険適用です。また、マウスピースの作製も保険適用です。詳しい費用については、事前にご説明いたしますのでご安心ください。
TCH治療の費用目安
- 初診・カウンセリング料 : 保険診療内
- 検査料(レントゲン、口腔内診査など): 保険診療内
- マウスピース(ナイトガード)作製 : 約3,000円~5,000円程度(保険適用)
- 歯の損傷や知覚過敏、顎関節症の治療 : すべて保険診療内
まとめ
無意識の「歯列接触癖(TCH)」は、多くの方が抱える現代病とも言える習慣です。日中のちょっとした瞬間に上下の歯が触れているだけでも、知らず知らずのうちに歯や顎に大きな負担をかけ、やがては歯周病の悪化や顎関節症へと繋がる可能性があります。
いわき市の酒井歯科医院では、TCHのメカニズムからその影響、そして具体的な改善策まで、患者さん一人ひとりに合わせて丁寧に情報提供し、最適な治療と予防策をご提案しています。私たちは、患者さんがご自身の歯と長く付き合えるよう、根本原因の解明と継続的なメンテナンス重視の診療を通して健康な口腔環境をサポートいたします。
「もしかして私もTCHかも?」そう感じた方は、ぜひ一度、当院のTCHや顎関節症の専門ページもご覧ください。
お電話(31-1000)、またはWebからご予約いただけます。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。酒井歯科医院が、あなたの歯の健康をサポートいたします。