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院長のコラム

その歯磨き、本当に磨けてる? 歯科医師が教える「効率的なブラッシング術」

    「毎日5分磨いてます」なのに、なぜ虫歯になるの?

    「毎日、食後にちゃんと歯磨きをしています。時には5分以上、時間をかけて丁寧に・・・」
    定期検診の際に、そうお話ししてくださる非常に真面目で熱心な患者さんがいらっしゃいます。ですが、そんな方に限って私たちがチェックすると磨き残しがあちこちに見つかり、小さな虫歯ができてしまったり歯ぐきが炎症を起こしてしまっている・・・というケースは決して少なくありません。

    なぜ、こんな悲しいことが起きてしまうのでしょうか。
    それは、歯磨きにおいて本当に大切なのが「磨いている時間」ではなく「磨けている質」だからです。

    歯磨き①

    この記事では、あなたの毎日の歯磨きを「ただの習慣」から「最良の予防医療」へと変えるための、効率的で本当に正しいブラッシングの秘訣について詳しく解説していきます。


    歯磨きの最大の敵「歯垢(プラーク)」の正体

    効率的な歯磨きを理解するためには、まず敵を知る必要があります。私たちの最大の敵、それは「歯垢(プラーク)」です。

    歯垢は、単なる食べカスではありません。それは、歯の表面にネバネバと張り付いた生きた細菌の塊です。わずか1mgの歯垢の中には、実に1億個以上もの細菌が棲み着いていると言われています。この細菌たちが作り出すが歯を溶かして虫歯にしたり、毒素を出して歯ぐきに炎症を起こさせたり(歯周病)するのです。

    ブラッシング指導

    そして重要なのは、このネバネバした歯垢はうがいなどでは全く洗い流せないということです。歯ブラシという「物理的な力」で機械的にこすり落とす以外に除去する方法はありません。


    あなたは大丈夫? 多くの人がやりがちな「NG歯磨き」

    良かれと思ってやっているその習慣が、逆にお口の健康を損ねている可能性もあったり致します。

    ① 力を入れすぎの「ゴシゴシ磨き」

    最も多い間違いです。力を入れてゴシゴシ磨くと歯ブラシの毛先が寝てしまい、肝心の歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目の溝に毛先が届きません。それどころか、歯の表面(エナメル質)を傷つけたり、歯ぐきを退縮させて知覚過敏の原因になったりする百害あって一利なしの磨き方です。

    ② 歯磨き粉をたっぷりつけすぎる

    歯磨き粉をつけすぎると、すぐにお口の中が泡だらけになり、爽快感から「磨けたつもり」になってしまいます。それでいて実際には歯垢が全く落ちていない・・・ということがよくあります。歯磨き粉は、小豆一粒程度の少量で十分です。もっともフッ素の効果を最大限に活かすには多い方が良いとも言われますので、悩ましい点ではあります。

    ③ 歯ブラシを濡らしてから磨く

    歯ブラシを水で濡らしてから歯磨き粉をつけると、泡立ちが良くなりすぎて、これも「磨けたつもり」の原因になります。また、歯磨き粉に含まれるフッ素などの薬用成分が水で薄まってしまうことで効果が半減してしまいます。


    歯科医師が教える「本当に正しい」歯磨きの基本

    では、どうすれば「磨けている」状態になるのでしょうか。次回の食事の後からすぐに実践できる3つの基本をご紹介します。

    ① 歯ブラシは「鉛筆持ち」で優しく磨く

    歯ブラシは、グーで握りしめるのではなく、鉛筆を持つようにペングリップで軽く握ってください。それだけで余計な力が抜けます。そして、歯ブラシの毛先が軽くしなる程度の150g〜200g程度の優しい力で磨くのが理想です。
    (キッチンスケールなどで、一度、押す力を測ってみるのもお勧めです)
    理想的には「磨いた気がしない」程度が宜しいとも言われています。

    ブラッシング圧の目安

    ②「小刻みな振動」で、1〜2本ずつ磨く

    歯ブラシを大きく動かすのではなく、5mm程度の幅で小刻みに優しく振動させるように動かします。そして、一箇所を20回程度磨いたら隣の歯へ移動する・・・この地道な作業を全ての歯の「表側・裏側・噛む面」で繰り返します。
    それがなかなか難しいので、私自身も電動歯ブラシに頼ってしまっています。

    電動歯ブラシ

    3.「フロスや歯間ブラシ」を歯ブラシの前に

    実は、歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れの約6割しか落とせていないというデータがあります。歯磨きの前に、まずデンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯ブラシが届かない歯と歯の間の歯垢を徹底的に掻き出すことが完璧なプラークコントロールの鍵となるようです。
    ですが、院長の私自身はどうも馴染めずに、ブラッシング後に回してしまうことがほとんどです。

    デンタルフロス①
    デンタルフロス②
    デンタルフロス③
    歯間ブラシ①

    あなたに合った「オーダーメイド」の歯磨きを

    ここまで基本的なお話をしてきましたが、最適な歯磨きの方法は、あなたの歯並びや歯ぐきの状態、生活習慣によって一人ひとり全く異なります。

    私たち歯科医院の定期検診(メンテナンス)では、虫歯のチェックだけでなく、専門家である歯科衛生士があなたのお口の状態を正確に把握し、あなただけの「オーダーメイドの歯磨き法」を指導させていただいています。

    ブラッシング指導(女児)

    毎日の自己流の歯磨きを、プロのアドバイスで「本当に効果のある予防医療」に変えてみませんか。それこそが、あなたの歯を一生涯守るための、最も確実で最も効率的な方法です。

    執筆・監修歯科医

    「磨いている」から
    「磨けている」へ

    酒井直樹

    医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長 / 院長

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