お子さんがテレビや動画に集中しているとき、お口が「ぽかん」と開いていませんか?
実はこの状態は、口唇閉鎖不全症(こうしんへいさふぜんしょう)と呼ばれ、口呼吸の習慣につながったり、歯並び・虫歯・感染症リスクに関わる可能性があります。
口呼吸が続くと、歯並びへの影響、虫歯や歯周病のリスク増加、さらには風邪や感染症にかかりやすくなるなどの問題が指摘されています。
日本の子供の約3人に1人に見られるとも言われる「お口ぽかん」。
本記事では、口呼吸がもたらす3つのリスクと、ご家庭で今日から楽しくできるトレーニング法について、歯科医師の立場から分かりやすく解説します。
なぜ「お口ぽかん(口唇閉鎖不全症)」が問題なのか?
こんにちは、いわき市中央台の酒井歯科医院です。
寒暖差があったり、乾燥しがちな季節になると、体調管理が気になりますよね。ご家庭でお子さんの様子を見ている時、ふとこんなことはありませんか?
・テレビやYouTubeに集中していると、口が開いている
・寝ているとき、口が開いている
・気がつくと「お口ぽかん」の状態になっている

「子供らしくて可愛い」と見過ごしてしまいがちですが、実はこの「お口ぽかん」は、お口や全身の健康にとっていくつかの注意が必要なサインかもしれません。今回は、最近のニュースでも取り上げられている「口呼吸」のリスクとご家庭で今日から楽しくできる対策についてお話しします。

日本の子供の「3人に1人」がお口ぽかん?
ある調査によると、日本人の子供の約30.7%、つまり「3人に1人」に、日常的に口が開いてしまう症状(口唇閉鎖不全症)が見られるそうです。

「うちの子だけじゃないんだ」と少し安心されるかもしれません。ですが、口が常に開いていると鼻ではなく「口」で呼吸をしてしまいがちです。専門家の先生方は、この状態が続くと大きく分けて「3つのリスク」があると指摘しています。

「お口ぽかん」が招く3つのリスク
なぜ、口が開いているといけないのでしょうか?
ニュースで紹介されていた専門家の解説を整理してご紹介します。

1.歯並びへの影響
お口が閉じているとき、唇は歯を外側から内側へ押さえる役割をしています。ところが、口が開いたままだとこの抑える力が働かなくなります。
その結果、前歯が外に出やすくなるなど、歯並びに影響が出る可能性があります。

2.虫歯・歯周病のリスク
お口の中は本来、唾液によって潤い、守られています。
ですが、口呼吸によって口の中が乾燥すると唾液の作用が弱まり、虫歯菌や歯周病菌が増えやすい環境になってしまいます。
唾液には「自浄作用」「抗菌作用」「再石灰化作用」などの大切な働きがあります。その力を十分に活かせなくなることが問題なのです。


3.風邪やウイルスへの感染リスク
鼻呼吸であれば、鼻がフィルターの役割を果たし、ウイルスや細菌の侵入を防いでくれます。ですが、口呼吸ではそれらが直接体内に入りやすくなります。
そのため、風邪を引きやすくなるなどのリスクが高まると言われています。


大人の方も要注意!「お口の筋力」チェック
「これは子供だけの話」と思っていませんか?実は大人の方も注意が必要です。以下のようなことはありませんでしょうか?
・食事の時にクチャクチャと音がする
・食べこぼしが多い
・いびきをかく
これらは、お口周りの筋肉が弱っているサインの可能性があります。大人であっても、虫歯や感染症のリスクに関わりますので、意識して鼻呼吸を心がけることが大切です。

お家で楽しく!今日からできる「お口のトレーニング」
「口を閉じなさい!」と叱ってしまうのは、お子さんにとってもストレスですよね。そこで、遊び感覚でできる、お口周りの筋肉(口輪筋など)を鍛える方法をご紹介します。
昔ながらの玩具「吹き戻し」
お祭りなどで見かける、息を吹くとピロピロと伸びて、吸うと戻ってくる「吹き戻し(ピロピロ笛)」。実はこれ、口周りの筋肉を鍛えるのにとても役立つと言われています。数回やるだけでも、筋肉を使っている感覚が得られます。
ストローでぶくぶく
コップに入れた水を、ストローを使ってブクブクと泡立てる遊びも、お口周りの筋肉を使うため予防に効果的だと考えられています。
※お水がこぼれないように、お風呂場などで行うのも良いかもしれませんね。


お口のことは、お気軽にご相談ください
「お口ぽかん」は、単なる癖ではなくお口の筋力不足や鼻の疾患が関係していることもあります。
「うちの子、いつも口が開いているかも?」
「歯並びが心配…」
そう感じたら、まずはご家庭で「お口を閉じること」を優しく声がけしたり、今回ご紹介した遊びを取り入れてみてください。それでも気になる場合は、検診の際にでもご相談くださいね。
お口の健康から、全身の健やかさを一緒に守っていきましょう。

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執筆・監修歯科医
お口を閉じて
健康な未来を
理事長・院長
酒井直樹
SAKAI NAOKI
経歴
- 1980年 福島県立磐城高等学校卒業
- 1988年 東北大学歯学部卒業
- 1993年 酒井歯科医院開院
- 2020年 医療法人SDC設立 理事長就任
所属学会・勉強会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本顎咬合学会
- 日本口育協会
- 日本歯科医師会
- 日本歯周内科学研究会
- ドライマウス研究会






