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顎関節症・歯ぎしり治療

虫歯じゃないのに歯が割れる?原因は食いしばり・TCHかも

    「虫歯でも歯周病でもないのに歯が割れた」・・・その背景には、“力”の問題が隠れていることがあります。
    食事以外の時間に上下の歯が触れている状態(TCH)や、無意識の食いしばりは、歯や歯ぐきに想像以上の負担をかけます。本記事では、歯が割れる仕組みとその予防法、そして今日からできる具体的な対策を、いわき市中央台の酒井歯科医院がわかりやすく解説します。


    虫歯・歯周病だけではない「歯が割れる原因」とは?

    こんにちは。いわき市中央台の酒井歯科医院です。患者さんからよくいただくご相談に、

    「虫歯ではないはずなのに歯が痛む・しみる」
    「詰め物がよく取れる」

    というものがあります。

    実はその原因の一つが、「無意識の癖」である歯にかかる“力”です。歯を失う原因といえば虫歯歯周病を思い浮かべますが、実は「歯の破折(歯が割れること)」も大きな要因の一つです。
    日々の生活で無意識にかかっている力が、目に見えないヒビ(マイクロクラック)を作り、歯や歯を支える骨にダメージを与えることがあります。

    虫歯・歯周病に加え歯の破折が第3のリスクであることを示す図

    今、この記事を読んでいるこの瞬間、あなたの上と下の歯は、くっついていますか? それとも離れていますか?
    もし、カチッと触れ合っていたら、少しだけ注意が必要です。今日は、歯を長持ちさせるために大切な「力のコントロール」についてお話しします。


    TCH(歯列接触癖)とは?無意識に歯を触れさせる習慣

    今この瞬間、あなたの上と下の歯は、くっついていますか? それとも離れていますか?
    本来、上下の歯が触れるのは食事のときだけが自然な状態です。1日3回の食事で歯が接触している時間は、合計してもわずか20分程度と言われています。
    ところが、仕事中やスマホを見ている時などに無意識に歯を接触させていると、それだけで本来の何倍もの負担が歯にかかります。

    これをTCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)といいます。

    弱い力でも、長時間続けば歯にとっては大きなストレスになります。

    無意識の食いしばりで1本の歯に数百kgの力がかかることを示すイラスト

    虫歯・歯周病につぐ第3のリスク「歯にかかる力」

    歯を失う原因といえば、虫歯や歯周病が思い浮かびますよね。でも実は、それらに加えて「歯の破折(歯が割れたり欠けたりすること)」も大きな原因の一つです。

    「硬いものを噛んだわけでもないのに?」と不思議に思うかもしれません。 ですが、日々の生活の中で無意識にかかっている「力」が、見えないレベルで歯にヒビ(マイクロクラック)を入れたり、歯を支える骨に負担をかけて歯周病を悪化させたりすることがわかっています。

    過度な咬合力により歯にマイクロクラックが生じる様子のイラスト

    特に気をつけるべきなのは、以下の3つの力です。

    1. 日中の食いしばりや、歯を接触させる癖(TCH)
    2. 食事の際の噛み方
    3. 寝ている間の歯ぎしり

    これらは無意識に行っていることがほとんどのため、ご自身ではなかなか気づきにくいのが厄介な点です。

    歯に負荷をかける3つのタイミング(TCH・食事の噛み方・夜間の歯ぎしり)

    食いしばりが歯を割る仕組みとは?

    「強く噛んでいないから大丈夫」と思っていませんか?
    歯へのダメージは「力の強さ × 時間」で決まります。たとえ弱い力でも、長時間続けば歯には大きな負担となります。その結果、ヒビが入り、歯が割れたり、歯周病が悪化したりするのです。


    「上下の歯が触れる」のは食事の時だけが正解

    本来、人間の口の構造として、上下の歯が触れ合うのは「食事の時だけ」が自然な状態です。 1日3回の食事で歯が接触している時間を合計しても、実はわずか20分程度だと言われています。

    もし、仕事中やスマホを見ている時など、日中に1時間でも無意識に歯を接触させていたら、それだけで「本来の3日分以上の仕事量」を歯に強いていることになってしまいます。 チリも積もればなんとやらで、弱い力であっても長時間続けば、歯にとっては大変な重労働なのです。


    噛み方で変わる!歯が割れるリスクを減らすコツ

    次に「食事の噛み方」も見直してみましょう。 食事中、カチカチと音がするくらい元気に噛んでいませんか?
    実は、噛む力の強さは「口を閉じるスピード」に関係しています。 例えば、ドアを閉める時を想像してみてください。 ゆっくり閉めれば音はしませんが、勢いよく閉めれば「バタン!」と大きな衝撃が走りますよね。噛む力もこれと同じで、噛むスピードが2倍になれば、歯にかかる衝撃は4倍になると言われています。

    噛むスピードが速いほど歯への負荷が増えることを示す比較イラスト

    硬いものが好きな方は、「硬いから勢いよく噛もう」と脳が判断しがちです。 歯を守るためには「ドアを静かに閉めるように、ゆっくり噛む」ことを意識してみてください。これだけで、歯が割れるリスクをぐっと減らすことができます。

    食べ物ではなく噛み方を変えることで歯の破折リスクを減らすイメージ図

    今日からできるTCH改善トレーニング3ステップ

    「無意識の癖なんて直せるの?」と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。 癖は後天的なものなので、意識を変えれば必ず改善できます。
    ここでは、日中の食いしばりや接触癖(TCH)を減らすための3つのステップをご紹介します

    ステップ1:自分を観察する

    まずは、「自分がどんな時に歯を合わせているか」を知ることから始めましょう。 1日の中で時計を見た時などに、「今、歯が触れていたかな?」と確認してみてください。 「スマホを見ている時」「料理をしている時」など、自分の癖が出やすいタイミングをメモしておくと効果的です。

    ステップ2:舌を正しい位置へ

    上下の歯が触れていることに気づいたら、すぐに離しましょう。 この時、舌の先を「上の前歯の付け根から少し後ろ(上顎)」に軽くつけるのがポイントです。ここに舌があると、自然と上下の歯は離れ、顎の力が抜けたリラックス状態(安静位)になります。 「歯を離す」ことよりも「舌を正しい位置に置く」ことを意識するのがコツです。

    ステップ3:繰り返す

    これを数ヶ月続けてみましょう。日中の意識が変わってくると、不思議なことに、コントロールが難しい「寝ている間の歯ぎしり」も自然と減ってくることが多いのです。

    TCH改善のための力のコントロール3ステップ(自己観察・舌の位置・継続)

    マウスピースだけでは不十分?本当に大切なこと

    「寝ている時の歯ぎしりが心配だからマウスピースを作りたい」というご相談もよくいただきます。 もちろんマウスピースは歯を守る有効な手段ですが、それだけでは「食いしばる力そのもの」をなくすことはできません。

    マウスピースは力を分散するが食いしばり自体は止められないことを示す図

    まずは日中の「歯が触れていないかな?」という気づきから始めてみませんか?

    大切な歯は、一生使うかけがえのない財産です。「特に症状はないけれど少し気になる」そんな段階でも、どうぞ遠慮なくご相談ください。
    いわき市中央台の酒井歯科医院では、虫歯や歯周病だけでなく、“歯にかかる力”まで含めて総合的にサポートいたします。大切な歯を長く使い続けるために「力のコントロール」に取り組んでいきましょう。
    一緒に、歯を長持ちさせる習慣を育てていきましょう。

    上下の歯を離す習慣を呼びかけるメッセージ画像

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    執筆・監修歯科医

    歯を守る力の専門家

    酒井直樹

    医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長 / 院長