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虫歯予防

銀歯と水銀のニュースを歯科医が解説|アマルガム規制と今後の対応

    銀歯に使われてきた「アマルガム」は、水銀を含む材料として知られていますが、2034年末までに製造や輸出入を終了する方針が国際的に合意されました。
    このニュースを見て、「今入っている銀歯は大丈夫なの?」「すぐに外した方がいいの?」と不安に感じた方もいらっしゃるかもしれません。

    結論から申し上げると、現在お口に入っているアマルガムは、問題がなければ慌てて外す必要はありません。
    この記事では、アマルガムと水銀の関係、規制の背景、そして患者さんが落ち着いて取るべき対応について、歯科医の立場からやさしく解説します。

    銀歯(アマルガム)の規制ニュースとは?

    こんにちは。いわき市中央台の医療法人SDC 酒井歯科医院です。
    最近、「水銀を含む銀歯が2034年末で禁止される」というニュースを目にして、不安に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

    「昔治療した銀歯は大丈夫?」「体に悪い影響はないの?」といった疑問をお持ちの患者さんも少なくありません。

    奥歯にアマルガム(銀歯)が充填された口腔内の写真
    2本の奥歯にアマルガム(銀歯)が充填された口腔内の写真

    今回のニュースは、水銀の使用を世界的に規制する「水俣条約」に基づく国際的な合意に関するものです。虫歯治療に使われてきた「歯科用アマルガム」について、2034年末までに製造や輸出入を終了する方針が示されました。
    なお、日本ではアマルガムはすでに古い材料となっており、現在の歯科治療で使われる場面はかなり限られています。

    水俣条約に基づき2034年末までに歯科用アマルガムの製造・輸出入が禁止されることを示したインフォグラフィック
    水俣条約に基づく歯科用アマルガムの国際的な規制が2034年末に完了することを示した酒井歯科医院のイラスト

    ちなみに私自身も、学生時代に実習で扱ったことはありますが、開業後32年間、当院の治療で使用したことは一度もありません。どうぞご安心ください。


    アマルガムと水銀の関係|危険なの?

    「水銀が入っている」と聞くと、強い不安を感じる方もいらっしゃると思います。
    ただし、ここで大切なのは、「水銀そのもの」と「アマルガム」は同じではないという点です。

    アマルガムは、水銀を含む複数の金属を混ぜ合わせた合金です。

    たとえば、鉄もそのままではサビやすいですが、他の金属と組み合わせてステンレスのような合金にすることで、性質が変わって安定しやすくなります。アマルガムも同じように、材料として用いられる際には合金として扱われてきました。
    また、身近な例としては、かつて水道管に鉛を含む合金が使われていたことがあります。現在では安全面の観点からほとんど使用されていませんが、このように金属は単体ではなく、用途に応じて合金として性質を調整しながら使われてきた歴史があります。

    このように、「水銀が含まれている」という一点だけで判断するのではなく、どのような形で使われているかを理解することが大切です。「水銀が含まれている」と聞いただけで、今お口の中にある銀歯が直ちに危険だと考える必要はありません。

    日本では2016年にアマルガムが保険適用外となり、すでに装着している銀歯は除去不要であることを示したインフォグラフィック

    今入っている銀歯は外すべき?

    結論から申し上げると、問題がなければ無理に外す必要はありません。
    銀歯の下で虫歯が再発している、詰め物が欠けている、適合が悪くなっているといった問題がなければ、慌てて除去する必要はないと考えられています。

    むしろ、不必要に削って外すことで、歯そのものに負担がかかる場合もあります。

    大切なのは、ニュースだけを見て自己判断で不安を大きくするのではなく、現在のお口の状態を歯科医院で確認したうえで、必要な対応を考えることです。


    患者さんが今日からできること

    1.丁寧な歯みがきを続ける

    詰め物や被せ物を長持ちさせるために最も大切なのは、毎日のセルフケアです。銀歯の周囲に汚れがたまると、そのすき間から虫歯が再発することがあります。
    毎日の歯みがきを丁寧に行い、必要に応じてフロスや歯間ブラシも活用しながら、お口の中を清潔に保つことが大切です。

    2.定期検診を受ける

    ご自身のお口の中にある銀歯がアマルガムなのか、また、その下に虫歯が隠れていないかどうかは、見た目だけでは判断しにくいことがあります。
    違和感や痛みがなくても、定期的に歯科医院でチェックを受けることで、トラブルの早期発見・早期対応につながります。

    銀歯の下の虫歯再発・詰め物の欠け・すき間など、歯科医院で確認すべきトラブルサインを解説したイラスト

    まとめ|正しく知って落ち着いて対応しましょう

    「銀歯に水銀」と聞くと、不安になってしまうのは自然なことです。ですが今回のニュースは、主に将来に向けた規制の話であり、今お口の中に入っている銀歯をすぐに外さなければならないという意味ではありません。
    大切なのは、正しい情報を知り、必要以上に怖がりすぎず、毎日のケアと定期的なチェックを続けることです。


    当院からのメッセージ

    「ニュースを見て気になって……」というご相談でも、まったく問題ありません。
    酒井歯科医院では、患者さんの不安や疑問に丁寧に耳を傾け、お一人おひとりのお口の状態に合わせて、わかりやすくご説明することを大切にしています。
    昔治療した銀歯が気になる、少し欠けている気がする、最近しみる感じがあるといった場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

    これからも、いわき市中央台の皆さまのお口の健康を守るお手伝いをしてまいります。


    よくあるご質問(FAQ)

    銀歯には本当に水銀が入っているのですか?

    一部の銀歯(アマルガム)には水銀が含まれていますが、複数の金属と混ぜ合わせた合金として安定した状態になっています。

    今入っている銀歯は危険ですか?

    問題がなければ基本的に安全とされており、無理に外す必要はありません。虫歯の再発や破損がある場合のみ、歯科医院での確認をおすすめします。

    銀歯は交換した方が良いですか?

    虫歯の再発や詰め物の不具合がある場合は交換を検討しますが、問題がなければそのままでも問題ありません。自己判断ではなく歯科医師にご相談ください。

    酒井歯科医院では、虫歯や歯周病の治療だけでなく、再発を防ぐ予防歯科にも力を入れています。医院の診療方針や診療内容については、酒井歯科医院トップページからご覧いただけます。

    執筆・監修歯科医

    地域の歯を守る歯科医師

    酒井直樹

    医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長 / 院長