「銀歯を自然な白い歯にしたい・・・でも、高いんでしょう?」
カウンセリングの際に、多くの患者さんからこのようなお声をいただきます。
確かに、かつてのセラミック治療は、非常に高価で時間もかかる治療でした。なぜなら、全ての工程を、専門の歯科技工士が一つひとつ手作業で行っていたからです。
しかし、歯科医療の世界にもデジタルの波が訪れています。当院では、患者さんのそうしたお悩みに応えるため先進の「CEREC(セレック)」というCAD/CAMシステムを導入しています。
この記事では、このCERECシステムが、いかにして「高品質」と「リーズナブル」を両立させるのか、そして、その裏側にある私たちの想いについて過去に撮影した動画(YouTube限定公開)も交えながらご紹介します。

CERECとは?― 院内に小さな「歯科技工所」を持つということ
CERECとは、例えるならセラミックの歯を自動で設計し削り出してくれる高性能なロボットです。
従来は、お口の型取りをしてそれを歯科技工所に送り技工士さんが何日もかけて作っていたセラミックの歯を、このCERECシステムを使うことで、設計から作製までのほとんどの工程を院内で行うことが可能になりました。これにより、治療期間の大幅な短縮(症例によっては最短1日)と技工所に依頼するコストの削減が実現できたのです。
【動画で見る】CERECをフル活用する酒井歯科医院チーム
百聞は一見にしかず。まずは、この動画をご覧ください。私共 酒井歯科医院チームが如何にこのシステムに注力しているかがお解りいただけようかと思います。
セレックは、人の手では不可能なレベルの精度で規格化された高品質なセラミックブロックを削り出すため、常に安定した品質の修復物をご提供できます。
当院で作製できる、主なセラミック修復物
当院では、このCERECシステムを駆使し様々な種類のセラミック修復物を院内で作製しています。
① 通常のセラミック修復物(CERECセラミック)
最もスタンダードなセラミックブロックです。天然の歯に近くて自然な色合いと透明感を持ち、主に詰め物(インレー)や比較的噛む力の強くない部分の被せ物(クラウン)に使用します。
② e-max(イーマックス)
通常のセラミックの、約3倍の強度を誇る非常に優れたセラミック材料です。その高い強度と審美性を両立しているため、奥歯の被せ物などより幅広い症例に対応できます。こちらも当院内での作製が可能です。
③ ジルコニア
「白い金属」とも呼ばれるほど圧倒的な強度を持つ材料です。その強度は金属に匹敵するレベルです。特に、長いブリッジなど最高の強度が求められるケースで使用します。
ジルコニアの削り出しには、より大型・高額な専用設備が必要なため、これは提携する専門の技工所にオンラインで設計データを送り作製を依頼しています。そうではあっても、この方法も従来のように物理的な歯型を送る必要がないため、コストを抑えかつ精度の高い修復物を作ることが可能です。

技工士さんとの連携も、もちろん大切です
ここまで、院内作製のメリットをお話ししてきましたが、もちろん全ての治療がデジタルで完結するわけではありません。
特に、「前歯の色を周りの歯と完璧に調和させたい」といった非常に繊細な審美性が求められるケースなどでは、今でも熟練の歯科技工士さんの「匠の技」に頼る必要があります。
大切なのは、最新のデジタル技術と伝統的な職人技、その両方のメリットを深く理解し、患者さん一人ひとりの症例にとって、どちらが最適かを誠実に見極めることだと私たちは考えています。
最新の技術と、変わらない職人技。その両輪で、私たちは、あなたにとって最高の治療を追求し続けます。
執筆・監修歯科医
良い治療を
もっと身近な選択肢へ
理事長・院長
酒井直樹
SAKAI NAOKI
経歴
- 1980年 福島県立磐城高等学校卒業
- 1988年 東北大学歯学部卒業
- 1993年 酒井歯科医院開院
- 2020年 医療法人SDC設立 理事長就任
所属学会・勉強会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本顎咬合学会
- 日本口育協会
- 日本歯科医師会
- 日本歯周内科学研究会
- ドライマウス研究会