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顎関節症・歯ぎしり治療

【歯ぎしり・食いしばり】頭痛や肩こりの原因に?いわき市の歯科医が予防法を解説

    こんにちは、いわき市中央台の酒井歯科医院です。
    「慢性的な頭痛がつらい」、「肩こりがよくならない」、「朝起きると顎が疲れている」──
    そんな症状でお悩みの方はいらっしゃいませんか?

    実はその背後に、無意識に行っている 歯ぎしり(Bruxism)食いしばり が潜んでいる可能性があります。
    歯や顎の問題と思われがちですが、実際には 全身の筋肉バランス・自律神経・姿勢 にまで影響し、体調不良の原因になることもあります。

    夜間の歯ぎしりが頭痛や肩こり、めまいの原因となる可能性を示した説明イラスト

    今回は、歯科医の立場から「症状の仕組み」と「今日からできる予防法」をわかりやすく解説いたします。

    日本人の約8割が歯ぎしりや食いしばりを経験していることを示す統計イラスト

    ◆ 隠れた大問題:「歯ぎしり」と「食いしばり」

    歯ぎしりや食いしばりは、睡眠中だけでなく日中にも起こります。「歯ぎしり」や「食いしばり」は、主に睡眠中に無意識に行われるイメージがありますが、実は日中、何かに集中しているときや運転中、テレビを見ているときなどにも、強く歯を食いしばっている方が多くいらっしゃいます。

    歯ぎしりや食いしばりの可能性を確認するためのセルフチェックリスト
    • パソコンに集中しているとき
    • 車の運転中
    • スマホを見ているとき
    • 緊張している場面

    こうした時に、気づかないうちに上下の歯を強く噛みしめている方がとても多いのです。歯を食いしばる際には、通常、食事の時とは比べ物にならないほど強い力が顎や歯全体にかかるとされています。この強い力が持続的に加わることによって、顎を動かす筋肉が過度に疲労し、やがて歯や歯ぐき、さらには全身にまで影響を及ぼし始めるのです。

    睡眠中の歯ぎしりで奥歯に数百キロ相当の力がかかることを示した図解

    食事で噛む力の2~3倍以上という強い力が、歯や顎関節にかかり続けることで、

    • 歯のすり減り
    • 知覚過敏
    • 歯のヒビ(クラック)
    • 顎関節症
    • 噛み合わせの悪化

    といった問題が起こりやすくなります。


    ◆ 食いしばりが引き起こす「全身の症状・不調」

    頭痛・肩こりが起こりやすくなる理由

    歯ぎしりに使われる「咬筋・側頭筋」は、首や肩の筋肉ともつながっています。そのため、筋肉が緊張を続けると、噛む筋肉は首や肩の筋肉とも密接に関係しているため歯ぎしりによって筋肉が緊張すると頭痛や慢性的な肩こりを引き起こす原因の一つになると考えられています。

    歯ぎしりによる咬筋の緊張が三叉神経を刺激し、頭痛や肩こりを引き起こす仕組みの図
    • 側頭部の頭痛
    • 肩こり・首こり
    • めまい
    • 耳鳴り
    • 自律神経の乱れ

    などへ波及し、原因不明の体調不良として現れることがあります。
    さらに、その影響は全身に及び、めまい・耳鳴り・自律神経のバランスの乱れを引き起こす可能性があることも指摘されています。お口の不安定さが体の土台のバランスを崩し、最終的には内臓など全身の健康を損なうことにもつながりかねません。

    エラが張ってきた…それもサイン?

    「最近、エラが張った気がする」という方は、咬筋が過度に発達している可能性があります。
    食いしばりを長期間続けると筋肉が肥大し、顔の輪郭まで変化することがあります。この場合、早めに歯科医院でチェックを受けることをおすすめします。
    鏡を見たときに、「以前よりエラ(頬骨のあたり)が張ってきた」と感じる方は、食いしばりによって顎の筋肉(咬筋)が過度に発達し、顔の輪郭が変化しているサインである可能性が高いです。

    歯ぎしりにより咬筋が過剰に発達し、エラの張りが生じる仕組みを示した解剖イラスト

    ◆ 今日からできる!歯ぎしり・食いしばりの予防法

    歯ぎしりや食いしばりの根本的な原因には、ストレスや噛み合わせの不安定さなどが挙げられますが、ご自宅でできる簡単な対策もあります。

    ① 歯科医院でのマウスピース治療

    自己対策には限界があり、根本的な予防には専門的な診断が必要です。いわき市中央台の当院では、夜間の歯ぎしり・食いしばりから歯や顎を守るマウスピース(スプリント)の作製を行っています。

    • 歯のすり減り防止
    • 顎関節症の予防
    • 筋肉負担の軽減
    • 噛み合わせの安定

    といったメリットがあり、多くの患者さんが症状の緩和を実感されています。
    ご自身の噛み合わせの状態やどれほどの力がかかっているかは歯科医師でなければ正確に判断できませんでしょう。まずはご相談ください。

    歯ぎしり対策として使用される夜間用マウスピース(ナイトガード)の写真

    ② 顎やこめかみのセルフマッサージ

    食いしばりの影響を受けやすい筋肉を優しくほぐすことで緊張を緩和できます。硬くなった顎やこめかみの筋肉を優しくマッサージすることで、筋肉の緊張を緩和することができます。特に食事の後に、凝りやすい部分を指圧し、筋肉をほぐす習慣を取り入れてみましょう。

    • 咬筋(頬のエラ部分)
    • 側頭筋(こめかみ)

    食事後やお風呂の時間に数分取り入れるのがおすすめです。

    歯ぎしり対策として行う咬筋マッサージの方法を示した手順イラスト

    ③ 意識的に顎の力を抜き、上下の歯を離す習慣をつける

    リラックスした状態では、上下の歯は接触していません。意識して「歯を離す」癖をつけるだけで、顎の筋肉の負担は大きく減ります。日中に食いしばる癖がある方は、まず「顎の力を抜くこと」を意識しましょう。集中しているときや緊張しているときに上下の歯が触れていないかチェックし顎をリラックスさせておくことが大切です。

    仕事やパソコン作業中のストレスによる無意識の食いしばりを示したイメージ

    ◆ まとめ:早めの対策が健康寿命を守ります

    歯ぎしり・食いしばりは「癖だから仕方ない」と放置すると、全身の健康に影響を及ぼす可能性があります。特に、年齢を重ねるにつれて全身の不調として現れやすくなることも考えられます。
    早期発見・早期対策によって症状の進行を大きく抑えることが可能です。

    歯ぎしりを放置すると全身のバランスが崩れる可能性を示した人体イメージ

    いわき市中央台の酒井歯科医院では、噛み合わせ・顎関節・筋肉の状態を丁寧に確認し、患者さんに合った治療や生活習慣のアドバイスをご提案しています。皆様の歯や顎を守るだけでなく、全身の健康の安定を目指した治療と予防を行っています。気になる症状がある場合は、早めに専門的なサポートを受けることが健康寿命を延ばすための確かな一歩となります。

    歯ぎしりが顎や全身に影響し、頭痛・肩こり・内臓不調などを引き起こす可能性を示したイラスト

    執筆・監修歯科医

    噛み合わせの健康を
    守る歯科医

    酒井直樹

    医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長 / 院長