咬合育成とは、成長期のお子さんの顎の発育と、噛む・飲み込む・呼吸するといったお口の機能を正しい方向へ育て、歯並びの「土台」からつくる予防的な考え方です。このページは、いわき市の酒井歯科医院が取り組む小児予防矯正(咬合育成)の総合案内として、「お口ポカン」への気づきから、その原因、そしてご家庭と歯科医院でできることまでの全体像をまとめています。気になるテーマは、各専門ページで詳しく解説しています。
はじめに:お子さんのお口、ポカンと開いていませんか?
テレビを見ている時、遊んでいる時、そして眠っている時…ふと、お子さんのお口がポカンと開いていることに気づいたことはありませんか? それは単なる「癖」ではなく、お口の機能が十分に育っていないことを知らせる大切なサインかもしれません。

現代の子どもたちに増えている「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)」という、お口の機能が正しく育っていない状態のサインである可能性があります。この記事では、なぜ今この問題が増えているのか、その背景と、お子さんの健やかな成長を土台から支える当院の「咬合育成(こうごういくせい)」という考え方をご紹介します。
見過ごさないで。お口の「危険信号」セルフチェック
以下の項目に一つでも当てはまるものがあれば、お口の機能がうまく育っていないサインかもしれません。ぜひ、お子さんの普段の様子をチェックしてみてください。

- ✅ いつもお口がポカンと開いている(口呼吸)… 唇を閉じる筋肉が弱いサイン
- ✅ 食べるのが遅い・よく丸飲みする … うまく噛めていないサイン
- ✅ 食べる時にクチャクチャと音を立てる … 唇が閉じきれていないサイン
- ✅ 話し方が少し幼く、滑舌が気になる … 舌や唇の動きが未発達なサイン
- ✅ 指しゃぶり・爪噛みの癖がなかなか治らない … 歯並びを乱す原因になる癖
- ✅ いびきをかく・寝ている時に口が開いている … 鼻呼吸ができていないサイン
1つでも当てはまったら、様子見にせず一度チェックのタイミングです。小さな気づきが、お子さんの未来の笑顔につながります。
なぜ、今の子どもたちにこの問題が増えているのか?
現代の食生活は、昔に比べて非常に柔らかいものが中心になりました。その結果、子どもたちが「噛む」回数は劇的に減少しています。しっかり噛まないと顎の骨やお口周りの筋肉が十分に発達せず、さまざまな問題を引き起こします。
顎が小さいままだと、後から生えてくる大きな永久歯が並ぶスペースが足りません。その結果、歯が本来の場所に収まりきらず、ガタガタの歯並び(叢生)や出っ歯につながってしまうのです。

「歯並び」だけの問題ではありません
お口の機能が正しく育たないことは、見た目の歯並びだけの問題ではありません。お子さんの全身の健康にまで影響が及ぶ可能性があります。
① 虫歯・歯周病のリスク
口呼吸によってお口の中が乾燥すると、唾液による自浄作用が失われ、虫歯や歯肉炎のリスクが格段に高まります。
② 呼吸への影響
鼻は、空気を浄化する天然の「空気清浄機」です。口呼吸が習慣になると、汚れた冷たい空気が直接のどや肺に入り込み、アレルギーや喘息などを悪化させる一因となります。
③ 姿勢や顔つきへの影響
お口周りの筋肉のバランスが崩れると、それが、全身の姿勢の歪み、顎が十分に発達しないことによる締まりのない顔つきに繋がることもあります。

それぞれのリスクや「放置するとどうなるのか」を詳しく知りたい方は、口腔機能発達不全症とは?(お口ポカンを放置するリスク)で歯科医師が詳しく解説しています。
「ゴールデンエイジ」を逃さないために。当院の「咬合育成」
お子さんの顎の骨が最も活発に成長するのは3歳〜12歳頃。私たちは、この二度と戻らない「成長のゴールデンエイジ」を最大限に活用します。

当院の「咬合育成」では、マウスピース型の装置(プレオルソなど)を使い、お子さん自身の「成長する力」を正しい方向へ優しく導く治療を行います。あわせて、指しゃぶりや口呼吸といった歯並びを悪くする癖を筋機能訓練(MFT)で改善していきます。
本格的な矯正治療が必要になる前に、その「土台」となる顎の骨を健全に育てること。それが、お子さんの未来への最高の贈り物になると私たちは考えています。ご家庭でできる具体的な取り組みは、この後のページでご紹介します。
実際の症例動画:1年半で反対咬合が改善した記録
「咬合育成って、本当に効果があるの?」という親御さんに、ぜひご覧いただきたい動画があります。当院に通院中のお子さんが、プレオルソの装着とご家族一丸となったホームケアに取り組んだ結果、約1年半で反対咬合(受け口)が改善していく過程を、実際の口腔内写真とともに記録したものです。
⚠️ もし早期に相談がなく中学生以降まで放置していたら…顎の成長促進が難しくなり、抜歯やワイヤー矯正、場合によっては顎切り(外科矯正)が必要になっていた可能性もある症例です。「気になったら早めに相談する」ことの大切さが伝わると幸いです。
🎧 この動画は、Googleの生成AI「NotebookLM」を活用して作成した解説動画です。お子さんと一緒にご覧いただくのもおすすめです😊
お子さんの状況に合わせて、次に読むページ
咬合育成のテーマを、目的別に4つの専門ページで詳しく解説しています。「まず知る → 治療を知る → 家庭で実践する」の順にお読みいただくのがおすすめです。
合わせてお読みいただきたいブログ記事です
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 咬合育成とは何ですか?
咬合育成とは、成長期のお子さんの顎の発育を活かし、歯並びの土台となる骨格や口腔機能を正しい方向へ導く考え方です。歯を動かす前に、噛む・飲み込む・呼吸するなどの機能を整えることを重視します。
Q2. 口腔機能発達不全症とは何ですか?
口腔機能発達不全症とは、噛む・飲み込む・話す・呼吸するといったお口の機能が十分に発達していない状態を指します。口がいつも開いている、食べるのが遅い、滑舌が悪いなどの症状が見られることがあります。
Q3. 子どもの口呼吸は歯並びに影響しますか?
はい、影響することがあります。口呼吸が習慣化すると顎の発育が妨げられ、歯が並ぶスペースが不足しやすくなります。その結果、叢生(ガタガタの歯並び)や出っ歯につながる可能性があります。
Q4. プレオルソとはどのような装置ですか?
プレオルソは、成長期のお子さんに用いるマウスピース型の矯正装置です。歯を強く動かすことを目的とするのではなく、舌や口周りの筋肉のバランスを整えながら、顎の成長をサポートすることを目的としています。
Q5. 何歳くらいから相談できますか?
顎の成長が活発な4歳〜12歳頃が特に重要とされています。気になる症状がある場合は、年齢に関わらず早めのご相談をおすすめします。
酒井歯科医院では、幼児期からのあごの成長を促す小児予防矯正(咬合育成)に加え、むし歯予防・小児歯科にも幅広く対応しています。当院が対応している治療の全体像は診療案内ページで、医院の診療方針や院内環境については酒井歯科医院トップページからご覧いただけます。
執筆・監修歯科医
お子さんの未来へ
最高の贈り物を
理事長・院長
酒井直樹
SAKAI NAOKI
経歴
- 1980年 福島県立磐城高等学校卒業
- 1988年 東北大学歯学部卒業
- 1993年 酒井歯科医院開院
- 2020年 医療法人SDC設立 理事長就任
所属学会・勉強会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本顎咬合学会
- 日本口育協会
- 日本歯科医師会
- 日本歯周内科学研究会
- ドライマウス研究会







