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はじめに:「経験と勘」だけに頼らない新時代のインプラント治療

インプラント治療は、失われた歯を補うための非常に優れた治療法です。ただ、その成功は、これまでは執刀する歯科医師の「経験」と「勘」に大きく依存していた部分があったのも・・・また事実です。

もちろん、経験は非常に重要です。そんな中、私たちはそれに加え先進の「デジタル技術」を駆使することで人間の能力だけでは到達できないレベルの「安全性」「精密さ」を追求しています。

人工の歯根が存在

この記事では、当院のインプラント治療を支えるCT口腔内スキャナー、そしてセレック(ミリングマシーン)という「3つのデジタル技術」が、どのように連携しあなたに最高の治療結果をもたらすのか、その舞台裏を詳しくご紹介します。

インプラントのデジタル化⑨

Step1【計画】:歯科用CTによる「完璧な術前シミュレーション」

安全なインプラント治療は、このステップで9割が決まります。

当院では、手術の前に必ず歯科用CTによる撮影を行います。これにより、インプラントを埋め込む顎の骨の厚みや硬さ、加えて最も重要な神経や血管の位置を三次元の立体画像として0.01mm単位で正確に把握します。

そして、そのCTデータを元に、コンピューター上で実際に手術を行う前に何度もシミュレーションを繰り返すのです。

  • どの位置に、どの角度で、どの深さまで埋め込むのが、最も安全で最も力学的に優れているか?
  • 使用するインプラントの最適な太さや長さは?

この寸分の狂いもない「設計図」があるからこそ、私たちは自信を持って手術に臨むことができるのです。

医療法人SDC酒井歯科医院の静脈内鎮静法活用

Step2【実行】:ミスのない正確な手術のために

どんなに素晴らしい設計図(術前シミュレーション)があっても、それを寸分の狂いなく実際の手術で再現できなければ意味がありません。その精度と安全性をさらに絶対的なものにするための強力な選択肢が「サージカルガイド」です。
ただし、全ての症例でこのガイドが必ず必要になるわけではありません。当院ではCTによる精密な診査の結果、特に、

  • 多数歯に渡るインプラントを、精密な位置関係で埋入する必要がある場合
  • インプラントを埋め込む位置が、下顎の太い神経管(下歯槽神経管)や上顎の副鼻腔に非常に近いなど、明らかにリスクが高いと判断された場合

といった特に高い精度が求められる難症例においてこのオーダーメイドのサージカルガイド(ステント)を作製・使用することが可能です。(別途 本数に応じた費用が派生します)

インプラントに用いられるサージカルステント
インプラントに用いられるサージカルステント

ガイドに設けられた穴を通して計画通りの位置・角度・深さへインプラントを正確に導くことで、フリーハンドの手術で起こりうるごく僅かなズレさえも完全に排除します。
もちろん、比較的シンプルな1〜2本の埋入で骨の量も十分にあるようなケースでは、CTによる完璧な術前計画によりガイドがなくとも安全で正確な手術は当然可能です。

重要なのは、全ての患者さんに同じ方法を適用するのではなく、一人ひとりの症例のリスクを正確に見極めその方にとって本当に必要な最善の安全対策を講じること・・・それが私たちの手術に対する姿勢です。


Step3【完成】:セレックによる「究極の、オーダーメイドの歯」

手術が成功しインプラントが骨と結合した数ヶ月の後、いよいよ最終的な「歯(被せ物)」を作製します。ここでもデジタルの力が圧倒的な精度を発揮します。

① 口腔内3Dスキャナーによる快適で精密な型取り

不快な粘土の型取りではなく、口腔内スキャナー(セレック・iTero)で、快適に、そしてミクロン単位の精度で、お口の中の情報をデータ化します。

② CAD/CAM(セレック)による高精度な設計と作製

取得した3Dデータを元に、今度はコンピューター(CAD)があなたの噛み合わせに完璧に調和した理想的な歯の形を設計します。そして、その設計図通りにミリングマシン(CAM)というロボットが高品質なセラミックのブロックを寸分の狂いもなく削り出すのです。

インプラントのデジタル化④
インプラントのデジタル化⑤

この一連のデジタルワークフローにより、従来の手作業では不可能だったレベルの精密なフィット感と長期的な安定性を誇る究極のオーダーメイドの歯が完成します。

インプラントのデジタル化②

「テクノロジー」と「人の手」。その融合が最高の治療を生み出す

ここまで、当院のデジタル技術についてお話ししてきました。ただし、忘れてはならないのは、これらの素晴らしい道具はあくまで「道具」に過ぎない・・・ということです。

インプラントのデジタル化⑧

その道具を、いつ、どのように使い、そして最終的にどうあなたの健康に結びつけていくのか。それを判断するのは最終的には私たち歯科医師の経験と知識、そしてあなたとの対話です。

最新のテクノロジーと変わらない人の温かさ。その両輪があって初めて最高のインプラント治療は完成するのだと私たちは考えています。


執筆・監修歯科医

「なんとなく」ではなく
「寸分の狂いなく」