WEB予約
メール相談・お問い合わせ
0246-31-1000
アクセス
LINE Official
Instagram

酸蝕症(さんしょくしょう)とは、虫歯菌とは関係なく、飲み物や食べ物、胃酸などに含まれる酸が歯の表面のエナメル質を直接溶かしてしまう病気です。歯の先端が透けてきた、冷たいものがしみる、硬いものを食べていないのに歯がすり減ってきたといった変化は、酸蝕症のサインかもしれません。原因の多くは毎日の飲食習慣にあり、習慣を見直すことで進行を防ぐことができます。

CONTENTS(目次)

硬いものを食べていないのに歯がすり減る…それは酸蝕症かもしれません

「最近、歯の先端が薄く、透き通ってきた気がする」
「冷たいものが、以前よりもしみるようになった」
「特に硬いものを食べているわけでもないのに、歯が全体的にすり減って凹みができてきた」

こうした変化は、歯ぎしりや加齢だけが原因とは限りません。飲み物や食べ物に含まれる「酸」が、歯のエナメル質を少しずつ溶かし続けている「酸蝕症」の可能性があります。

酸蝕症のやっかいな点は、痛みがほとんどないまま静かに進むことです。しかも原因が「体に良いと思って続けている習慣」であることが少なくありません。この記事では、酸蝕症のサインの見分け方、日常に潜む原因、今日からできる予防法、そして溶けてしまった歯の治療までを、当院で実際に経験した症例とともに解説します。


酸蝕症のサインと進み方

酸蝕症は、ある日突然穴があく虫歯とは違い、歯の表面が広い範囲で少しずつ薄くなっていきます。進み方の目安は次のとおりです。

初期:歯の艶がなくなる

歯の表面の艶が消え、白っぽくマットな質感になります。舌で触るとざらつきを感じることもあります。痛みはほぼなく、ご本人が気づくことはまれです。

中期:先端が透ける・黄ばむ・しみる

前歯の先端が薄くなって透けて見えたり、エナメル質の下にある黄色い象牙質が透けて歯が黄ばんで見えたりします。象牙質が露出してくると、冷たいものや歯ブラシの毛先がしみるようになります。詰め物のまわりの歯だけが溶けて、詰め物が周囲より盛り上がって見えるのもこの時期の特徴です。

イメージ:酸蝕症で周囲の歯が溶け、金属の詰め物が浮き上がって見える奥歯。まわりにはへこみや変色がある
周囲の歯が溶けて詰め物が浮いて見える例(イメージ)

進行期:くぼみができ、歯が短くなる

奥歯の噛む面にお皿のような丸いくぼみ(カップ状のくぼみ)ができ、前歯は短く、薄くなっていきます。ここまで進むと、見た目の変化やしみる症状がはっきりしてきます。

イメージ:酸蝕症の歯の見た目の特徴。表面がツルリと平坦になった前歯、象牙質が露出してクレーター状にくぼんだ奥歯、歯の根元が黄色く歯ぐきとの境目にエナメル質が残った歯の3例
酸蝕症の見た目の特徴(イメージ)

歯ぎしり・歯みがきによるすり減りとの違い

歯がすり減る原因は、酸だけではありません。歯科では、原因によって次の3つに分けて考えます。

種類主な原因すり減り方の特徴
酸蝕(酸蝕症)飲食物や胃酸の酸広い面が丸くなめらかに溶ける。艶が消え、くぼみや透けが出る
咬耗(こうもう)歯ぎしり・食いしばり噛み合う面が平らにすり減り、上下の歯の削れた面がぴったり合う
摩耗(まもう)強すぎる歯みがきなど歯の根元がくさび状にえぐれる

実際の診療では、これらが重なっていることが少なくありません。特に、酸で柔らかくなった歯に歯ぎしりの力が加わると、すり減りは一気に進みます。歯ぎしりの治療を受けているのにすり減りが止まらない場合は、酸の関与も疑う必要があります。


酸蝕症のメカニズム:歯が「溶ける」とはどういうことか

歯の表面を覆うエナメル質は、体の中で最も硬い組織です。しかし、この硬い組織にも弱点があります。それが「酸」です。

口の中が pH5.5 より酸性に傾くと、エナメル質からカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出し始めます。エナメル質の内側にある象牙質はさらに弱く、pH6前後でも溶け始めます。酸にさらされる時間が長く、回数が多いほど、歯は溶けていきます。

身近な市販飲料・柑橘類・調味料のpHの目安一覧。レモンpH2.1やコーラpH2.2などの酸性の強いものから水pH7.0まで並べ、エナメル質が溶けやすくなるpH5.5前後を示した図

本来は、唾液が酸を薄めて中和し、溶け出したミネラルを歯に戻す「再石灰化」によって修復が進みます。ところが、酸にさらされる時間が唾液の修復力を上回り続けると少しずつ歯が失われていきます。

虫歯は、虫歯菌が糖から作り出す酸によって、歯の一部に局所的な穴があいていく病気です。これに対して酸蝕症は、飲食物などの酸が歯の表面に直接触れることで、氷が溶けるように広い範囲がじわじわと溶けていくのが特徴です。虫歯菌がいなくても起こる点が大きな違いです。


あなたの習慣は大丈夫?酸蝕症リスクのセルフチェック

次のような習慣は、酸蝕症のリスクを高めます。いくつ当てはまるか確かめてみてください。

レモン果汁とコーラが歯にかかり、表面が溶けていく様子を表した酸蝕症のイメージ

① 酸っぱい食べ物・飲み物が好き

レモンやグレープフルーツなどの柑橘類、酢の物やドレッシング、梅干しなどを毎日のようにとる習慣がある方は注意が必要です。

② 炭酸飲料・スポーツドリンクをよく飲む

コーラやサイダーなどの炭酸飲料、スポーツドリンク、エナジードリンクの多くは強い酸性です。甘さで酸っぱさが隠れているため、酸性だと気づきにくいのが落とし穴です。

③ お酢やワインを飲む習慣がある

健康のためにお酢を飲む方が増えていますが、薄めずに原液のまま飲むのは歯にとって大きなリスクです。また、白ワインは赤ワインよりも酸性度が高く、毎晩の晩酌として習慣になっている方は注意が必要です。

【実際の症例】健康に良いはずの黒酢が、歯を溶かしてしまった話

ここで、私が実際に経験した、忘れられない患者さんのお話をさせてください。

長年当院に通ってくださっている60代後半の男性で、年齢のわりにお口の状態がとても良い方でした。その方が「急に虫歯が増えた気がする」とおっしゃって来院されました。お口の中を拝見して、私は心底驚きました。1年2ヶ月前の受診時にはまったく問題のなかった歯が、広い範囲で溶けるようにすり減っていたのです。

「歯の丈夫な○○さんなら、仮にまったく歯みがきをしなかったとしても、ここまでにはならないはずです。何か、生活習慣で変わったことはありませんか?」

そうお尋ねして、ようやく原因がわかりました。テレビで紹介されていた健康法を、毎日まじめに実践されていたのです。

その健康法とは、「濃いほうが効くだろう」と、就寝前に原液のままの黒酢を飲むというものでした。

体に良いとされる黒酢も、歯にとっては強い酸性の液体です。しかも、眠っている間は唾液がほとんど出ず、酸を洗い流して中和する働きが弱まります。その時間帯に毎晩酸を口にし続けた結果、わずか1年あまりでエナメル質が溶かされてしまいました。良かれと思った習慣が思わぬ落とし穴になった、典型的な例です。

就寝前に原液の黒酢を飲む習慣で起きた酸蝕症の症例。60代後半男性の口腔内写真で、良好だった状態から1年2か月後に前歯を中心として歯の表面が広範囲に溶けた変化の比較

健康法を試すのは素晴らしいことです。ただ、歯という視点から見ると、水だけを飲んでいたほうがはるかに安全だった、というケースは珍しくありません。口に入れるものの健康法を始めるときは、ぜひ一度私たち歯科医師にもご相談ください。

④ ビタミンC・クエン酸などの酸っぱいサプリやタブレットをとっている

ビタミンCの粉末やチュアブル錠(口の中で噛み砕いて飲むタイプの錠剤)、クエン酸入りのサプリメントや酸っぱいタブレット菓子も、酸性の強いものが多くあります。特に「口の中に長く置いておくほうが効く」と考えて、なめ続けたり頬の内側に含んだりする使い方は、局所的に深刻な酸蝕症を引き起こします。

【実際の症例】健康のためのサプリが、歯を溶かす原因に

これも、私が実際に経験した忘れられない患者さんのお話です。
長年定期的に通ってくださっている、虫歯の少ない方でした。その方がある日、「急に歯がボロボロになっちゃったんです」と来院されました。
拝見すると、確かに特定の場所の歯だけが、虫歯とは違うチョークのような状態で溶けて崩れていました。私も最初は原因がわからず、詳しくお話を伺ううちに、最近始められた健康習慣があることがわかりました。

それは、梅のエキスを凝縮した、クエン酸が主成分のサプリメントを毎日とるというものでした。

酸蝕症の原因となった、クエン酸が主成分の梅エキスサプリメントを手のひらに載せた写真(強い酸性による歯への影響に注意)

ただ飲み込むだけなら、ここまでにはなりません。問題はその「とり方」にありました。

「長くなめているほうが体によく吸収されるだろう」と考えて、その酸っぱいサプリメントをいつも左下の歯と頬の間に置きっぱなしにしていたのです。

その結果、サプリメントが触れていた部分の歯だけが一日中強い酸にさらされ、エナメル質が溶けてしまいました。すぐに飲み込んでいれば防げたはずの出来事です。

梅エキス由来のクエン酸主体のサプリを左下の頬側に置き続けて起きた局所的な酸蝕症の症例。比較的良好な歯面と、サプリが触れていた部位だけ広範囲に溶けた奥歯の比較写真

⑤ だらだら飲み・だらだら食べの癖がある

酸性の飲み物を少しずつ時間をかけて飲む習慣は、酸蝕症のリスクが最も高い行動パターンです。口の中が酸性に傾いたままの時間が長くなり、唾液が歯を修復する時間がなくなるからです。だらだら飲みで問題になるのは、量よりも「時間」と「回数」です。これは虫歯のリスクが高まる仕組みとも共通しています。

⑥ 逆流性食道炎や、嘔吐を伴う体調がある

眠っている間などに、気づかないうちに胃酸が食道へ逆流し、口の中まで上がってくることがあります。胃酸は pH1〜2 という非常に強い酸で、夜間に繰り返されると歯が大きく溶けてしまいます。胃酸による酸蝕は、上の前歯の裏側や奥歯の噛む面に出やすいのが特徴です。

つわりの時期や体調不良などで嘔吐を繰り返す場合も、同じように胃酸で歯が溶けることがあります。胸やけや呑酸(すっぱいものが上がってくる感じ)に心当たりがなくても、歯科の検診で歯の溶け方から逆流性食道炎が見つかるケースもあります。

逆流性食道炎で胃酸(pH約2)が食道を通って口の中まで上がり、歯を溶かす仕組みの図解

酸蝕症に注意したい飲み物・食べ物

身の回りには、歯を溶かす可能性のある酸性の飲食物がたくさんあります。ここでは、歯への影響の大きさで3つのグループに分けて紹介します。pHは製品や銘柄によって異なるため、あくまで目安としてご覧ください。

特に注意が必要な、酸性の強い飲み物

エナメル質が溶け始める pH5.5 を大きく下回る飲み物です。毎日の習慣になっている方、特にだらだら飲みをしている方は酸蝕症のリスクが高い状態です。「健康に良さそう」なイメージのあるオレンジジュースや乳酸菌飲料もこのグループに入ります。

pHが低い酸性飲み物(コーラ)
pHが低い酸性飲み物(スポーツドリンク)
pHが低い酸性飲み物(サイダー)
オレンジジュースのpH(強い酸性)
乳酸菌ウォーターのpH(強い酸性)
乳酸菌飲料のpH(強い酸性)

飲み物以外にも、次のような食品は酸性が強めです。

  • レモン・グレープフルーツなどの柑橘類
  • お酢・黒酢・もずく酢などの酢の物
  • 梅干しなどの酢漬け・塩漬けの食品
  • ドレッシング・マヨネーズ
  • エナジードリンク・ワイン(特に白ワイン)
  • 酸っぱいグミやタブレット菓子

酸性は弱めでも、飲み方に注意したい飲み物

コーヒーやミルクティーは、上のグループほど強い酸性ではありません。ただし、ブラックコーヒーも弱い酸性で、象牙質が露出している方には影響が出ることがあります。また、砂糖入りの缶コーヒーやミルクティーは、酸蝕よりも甘い飲み物に含まれる砂糖による虫歯のリスクが問題になります。どちらも、仕事中や運転中にちびちび飲み続けるのは避けたい飲み物です。

ブラックコーヒーのpH(弱い酸性)
甘い缶コーヒーのpH(中性に近い弱い酸性)
pHが微妙に中性に近い飲み物(ミルクティー)

酸性の飲み物は、食事と一緒にとるなど時間を決めて飲み、飲んだあとは水やお茶で口をゆすぐ習慣をつけましょう。

歯にやさしい、普段の水分補給に向く飲み物

毎日の水分補給には、中性に近い水、麦茶、緑茶、ウーロン茶などがおすすめです。糖分も含まないため、虫歯の予防にもつながります。

pHが中性の飲み物(水)
pHが中性の飲み物(お茶)
pHが中性の飲み物(ウーロン茶)

【院長の独り言】部活動とスポーツドリンクの、悲しい関係

私が高校生の頃、部活動中の水分補給といえば水道の水でした。時代は変わり、今の中高生は熱中症対策としてスポーツドリンクを飲むのが当たり前になっています。

大量に汗をかく場面で、スポーツドリンクが役に立つのは確かです。ただ、練習中ずっとだらだら飲み続けると、頑丈なはずの10代の歯のエナメル質も溶け始めてしまいます。溶けて柔らかくなった歯は、虫歯にもなりやすくなります。

普段の水分補給は水や麦茶を基本にし、スポーツドリンクは本当に必要な場面に限る。こうした知識が、ご家庭や学校で広く共有されることを切に願っています。


酸蝕症から歯を守る5つの鉄則

酸蝕症の予防で最も大切なのは、歯が酸に触れる「時間」と「回数」を減らすことです。特別な治療よりも、毎日の習慣の見直しがいちばんの防御策になります。

① 酸っぱいものの後は、水やお茶で口をゆすぐ

酸性のものを飲んだり食べたりした後は、水やお茶で口をゆすぎ、歯の表面に残った酸を洗い流しましょう。牛乳やチーズを食事の最後にとるのも、酸を和らげるのに役立ちます。酸性の飲み物をストローで飲むと前歯に直接触れる量を減らせます。

② 酸性のものをとった直後だけは、歯みがきを少し待つ

酸性の強い飲食物をとった直後は、歯の表面が一時的に柔らかくなっています。このタイミングで強くこすると、エナメル質を削り取ってしまいます。こうした場合は、まず水で口をゆすぎ、30分〜1時間ほど唾液が歯を修復する時間をおいてから、やわらかめの歯ブラシでやさしく磨きましょう。

「食後はいつも30分待ってから磨くべき」という意味ではありません。普段の食事の後は、これまでどおり早めに歯みがきをして大丈夫です。待つのは、酸性の強いものをとった直後に限った話です。

③ だらだら飲みをやめ、時間を決めて楽しむ

酸性の飲み物は、食事やおやつの時間に決めて楽しみ、飲み終わったら水やお茶に切り替えましょう。このメリハリが、唾液に歯を修復する時間を与えます。

④ 寝る前は、水以外のものを口にしない

眠っている間は唾液の量が大きく減り、酸を洗い流す力が弱くなります。黒酢の症例のように、就寝前の酸性の飲食は特に歯を溶かしやすいので、歯みがきの後は水だけにしましょう。逆流性食道炎がある方は、就寝前の食事を控えることも大切です。

⑤ フッ素を活用し、歯を酸に強くする

フッ素には、溶け出したミネラルを歯に戻す再石灰化を助け、歯の表面を酸に溶けにくくする働きがあります。毎日のフッ素入り歯みがき剤に加えて、歯科医院での高濃度フッ素塗布を組み合わせると効果的です。


溶けてしまった歯の治療:エナメル質は自然には戻らない

一度溶けて失われたエナメル質は、自然には元に戻りません。そのため治療は、原因を突き止めて進行を止めることと、症状や削れの程度に合わせて歯を守ることの2本立てで進めます。

原因を突き止めて、進行を止める

まずは飲食の習慣や健康法、サプリメント、体調などを丁寧に伺い、歯の溶け方と照らし合わせて原因を探ります。原因が習慣であれば、無理なく続けられる改善方法を一緒に考えます。胃酸の逆流が疑われる場合は、内科や消化器内科での診察をおすすめしています。

そのうえで、フッ素塗布などで歯を酸に強くし、定期検診で口の中の写真を撮って変化を記録していきます。進行が止まっていれば、削らずに経過を見守ることも大切な選択肢です。

しみる症状をやわらげる

象牙質が露出してしみる場合は、露出した面をコーティングする薬剤を塗るなどの知覚過敏の処置を行います。

削れた部分を補い、歯を守る

削れが深い場合や見た目が気になる場合は、歯科用のプラスチック(コンポジットレジン)で溶けた部分を補います。健康な部分はできるだけ削らないMI治療の考え方で行います。広い範囲が溶けて歯が弱くなっている場合は、被せ物(クラウン)で歯全体を覆って守ります。被せ物には保険診療のものから、セラミックなどの自費診療のものまであり、歯の状態やご希望に合わせてご提案します。

歯ぎしりや食いしばりが重なっている場合は、治療した歯を守るためにマウスピース(ナイトガード)の使用もあわせて検討します。

「健康のための習慣」が、気づかないうちに歯を傷つけているとしたら、これほど残念なことはありません。いわき市の酒井歯科医院では、歯だけでなく生活習慣まで含めて丁寧にお話を伺い、原因から一緒に考えます。歯のすり減りやしみる症状、食生活で気になることがあれば、手遅れになる前にご相談ください。


酸蝕症についてよくあるご質問

Q.酸蝕症と虫歯は何が違うのですか?

A.虫歯は、口の中の虫歯菌が糖を分解して作る酸によって、歯の一部に局所的な穴があく病気です。酸蝕症は、飲食物や胃酸に含まれる酸が歯の表面に直接触れることで、広い範囲がなめらかに溶けていく病気です。虫歯菌がいなくても起こる点が大きな違いです。

Q.歯ぎしりによるすり減りと、酸蝕症はどう見分けますか?

A.歯ぎしりによるすり減りは、噛み合う面が平らに削れ、上下の歯の削れた面がぴったり合うのが特徴です。酸蝕症では、歯の表面の艶が消え、丸くなめらかなくぼみや先端の透けが見られます。実際には両方が重なっていることも多いため、歯科医院で歯の状態と生活習慣をあわせて確認することをおすすめします。

Q.酸蝕症になりやすいのはどんな人ですか?

A.炭酸飲料やスポーツドリンク、柑橘系のジュースを日常的に飲む方、お酢や黒酢を原液で飲む方、ビタミンCやクエン酸のサプリメントを口の中で長くなめる方、逆流性食道炎や嘔吐を伴う体調のある方などがリスクの高いグループです。健康のために始めた習慣が原因になることも少なくありません。

Q.無糖の炭酸水なら飲んでも大丈夫ですか?

A.無糖の炭酸水も炭酸によって弱い酸性ですが、酸味料や糖を含む清涼飲料水に比べると歯を溶かす力は小さいとされています。ただし、レモンなどのフレーバー付きのものは酸性が強くなるため注意が必要です。だらだら飲みを避け、普段の水分補給は水やお茶を中心にしましょう。

Q.食後すぐに歯みがきをしてはいけないのですか?

A.普段の食事の後は、早めに歯みがきをして問題ありません。待ったほうがよいのは、酸性の強い飲食物をとった直後だけです。その場合は、まず水で口をゆすぎ、30分から1時間ほどおいてから、やわらかめの歯ブラシでやさしく磨きましょう。

Q.溶けてしまった歯は元に戻りますか?治療法はありますか?

A.一度失われたエナメル質は自然には戻りません。まず原因となっている習慣を見直して進行を止め、フッ素塗布で歯を酸に強くします。しみる場合は知覚過敏の処置を行い、削れが深い場合はコンポジットレジンで補ったり、被せ物で歯を守ったりします。早めに相談いただくほど、歯を削る量を少なくできます。

酒井歯科医院では、酸蝕症をはじめ、むし歯・歯周病・知覚過敏・歯ぎしりなど、幅広い歯のお悩みに対応しています。当院が対応している治療の全体像は診療案内ページで、医院の診療方針や院内環境については酒井歯科医院トップページからご覧いただけます。

執筆・監修歯科医

その”良かれ”が
歯を溶かしていませんか?