マッサージしても繰り返す「つらい肩凝り」にお悩みではありませんか?
「長年、ひどい肩凝りに悩まされている…」 、「マッサージや整体に色々通ったけれど、その場限りですぐに元に戻ってしまう」・・・・
いわき市にお住まいの皆さんの中にも、このようなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。つらい肩凝りは、仕事や家事への集中力を奪い日々の生活の質を大きく下げてしまいますよね。
噛み合わせと関係してるの?
もし、その頑固な肩凝りの原因が、ご自身では気づきにくい「お口の中のクセ」にあるとしたら、どう思われますか?
「肩と歯? まさか関係ないでしょう」と思われるかもしれません。 しかし、私たち歯科医師の視点から見ると、実はこの二つには非常に深い繋がりがあるのです。

こんにちは、いわき市で診療を行う酒井歯科医院です。 当院では、虫歯や歯周病の治療だけでなく、患者さん一人ひとりが抱えるお口のお悩みの根本原因を探り、健康な毎日を送るためのお手伝いをすることに力を入れています。
この記事では、つらい肩凝りの意外な原因である「歯ぎしり」と「TCH(歯列接触癖)」について、そして当院がどのようにそのお悩みにアプローチしているのかを、専門用語をできるだけ使わずに分かりやすく解説していきます。 この記事を読み終える頃には、あなたの長年の悩みを解消する新しいヒントが見つかるかもしれません。

その肩凝りの犯人?「歯ぎしり」と「TCH」の正体
肩凝りを引き起こす可能性がある二つの口腔習癖(お口のクセ)。それが「歯ぎしり」と「TCH」です。まずはこの二つの違いからご説明します。
あなたはどっち? 夜の「歯ぎしり」と昼の「TCH」
夜の無意識な力「歯ぎしり」
「歯ぎしり」は、多くの方が一度は耳にしたことがあるかと思います。主に睡眠中に、無意識に歯をギリギリと強く擦り合わせたり、グーッと強く噛みしめたり(クレンチング)する行為です。 ご家族に指摘されて初めて気づく方も多いですし、必ずしも音が生じない歯ぎしりも少なくないようです。この歯ぎしりは、ご自身の歯や顎に想像以上の負担をかけることになります。



昼の静かなクセ「TCH(歯列接触癖)」
一方、「TCH」という言葉は、まだあまり知られていないかもしれません。 TCHとは Tooth Contacting Habit の略で、日本語では「歯列接触癖」と言います。これは、日中、特に何かに集中している時(パソコン作業、運転、料理など)や、ふとリラックスしている時に、上下の歯を無意識に「カチッ」と接触させ続けてしまう癖のことです。


実は、人の上下の歯は、会話や食事の時以外は触れ合っておらず、2〜3mmほど離れているのが正常な状態(安静空隙)です。TCHは「ギリギリ」と音を立てるわけではないため、「静かな食いしばり」とも言え、ご自身では全く自覚がないケースがほとんどです。
なぜ歯を食いしばると肩が凝るの? 鍵を握る筋肉「肩甲舌骨筋」
では、なぜ歯を接触させ続けることが、肩凝りに繋がるのでしょうか。 ここで少しだけ、私たちの体の面白い仕組みについてお話しします。
実は、私たちの「舌」と「肩」は、一本の筋肉で繋がっているのです。 その筋肉の名前を「肩甲舌骨筋(けんこうぜっこつきん)」と言います。

【肩凝りが起こるメカニズム】
- 歯を食いしばる(TCH)
↓ - 口周りの筋肉と一緒に「舌」がグッと緊張して硬くなります。
↓ - 舌が緊張すると、舌の付け根にある「舌骨(ぜっこつ)」という骨が上に引っ張られます。
↓ - その舌骨と肩甲骨を結んでいる「肩甲舌骨筋」も連動してピンと張ってしまいます。
↓ - その緊張が首や肩甲骨周りの筋肉全体に伝わり、血行不良を引き起こして「肩凝り」や「首凝り」、「側頭部痛(頭痛)」の原因となるのです。
つまり、あなたが無意識に行っているTCHが、常に肩や首に繋がる筋肉を緊張させ続け、つらい凝りを生み出していた可能性があるのです。
噛み締め癖が肩凝りを引き起こすメカニズム
ちょっとだけ難しい話になりますが、私たちの頭部と肩は多くの筋肉で繋がっています。
噛み締めや食いしばりをする際、あごの周りの筋肉(咬筋や側頭筋)が強く収縮します。この緊張が、首から肩にかけての筋肉(胸鎖乳突菌や僧帽筋など)に伝わることで、肩凝りが引き起こされるのです。
主なメカニズムは以下の通りです。
筋肉の連動
噛むための筋肉と首・肩の筋肉は連動して動きます。あごに力が入ると、無意識のうちに首や肩の筋肉も緊張し、凝り固まってしまいます。特に、睡眠中の無意識の歯ぎしりや食いしばりは、長時間にわたって筋肉に大きな負担をかけます。
血行不良
筋肉の緊張が続くと、血管が圧迫されて血行が悪くなります。その結果、筋肉に疲労物質が溜まり、痛みや凝りとして感じられるようになります。
全身の歪み
人間の体は、筋膜という薄い膜で全身が繋がっています。あご周りの筋肉の緊張が、筋膜を介して全身に伝わり、体の歪みを生じさせることがあります。この歪みが、肩こりをはじめとする全身の不調につながることもあります。
噛み合わせの問題
噛み合わせが悪いと、左右どちらか一方で噛む癖がつきやすくなります。これにより、片側の筋肉だけに負担が集中し、体のバランスが崩れて肩こりの原因となることがあります。
まずは「気づく」ことから。お金も時間もかからない最高のセルフケア
このお話をすると「すぐに治療しないと!」と焦る方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、ご安心ください。
この問題の対策で最も重要なのは、歯を削ったり、特別な装置を入れたりすることではありません。 まずは「ご自身の癖に、ご自身で気づくこと」・・・これに尽きます。
無意識の癖なので、気づくのはとても難しいことです。だからこそ、私たち歯科のプロの出番です。 当院の診察で、歯の状態や頬の粘膜を拝見すると、その方の癖が見えてきます。例えば、TCHがある方の多くは、頬の内側に歯を押し付けた跡である「白い線(圧痕)」が見られます。と同時に舌の縁にも歯形が残ってたりも致します。
そういった所見がある患者さんに「もしかして、肩凝りはありませんか?」とお尋ねすると、驚くほど多くの方が「はい、なぜ分かったんですか?」と頷かれます。 この瞬間こそ改善への第一歩です。ご自身の体の不調と、無意識の癖が繋がった瞬間だからです。


こんな症状は要注意
以下の症状に心当たりがある場合、噛み締め癖が肩凝りの原因になっている可能性があります。
- 朝起きた時に、あごが疲れている、またはだるい感じがする
- マッサージを受けても、すぐに肩凝りが再発する
- 原因不明の頭痛(特に側頭部)に悩まされている
- 歯の先端や歯ぐきとの境目がすり減っている、欠けている、またはしみる
- 舌の縁に歯の跡がついている


あなたの“クセ”を見つけるお手伝い|いわき市 酒井歯科医院の強み
私たちは、ただ治療するだけでなく、患者さんご自身がお口の健康状態を深く理解し、主体的に改善に取り組めるよう「情報提供」に取り組んでいます。
「見る」ことで納得!当院が力を入れている“丁寧な情報提供”
百聞は一見に如かず、です。言葉だけで「癖がありますよ」と説明されてもなかなかピンとこないですよね。 そこで酒井歯科医院では、“見える化”を徹底しています。
口腔内カメラの活用
口腔内撮影用のカメラで撮影した画像を傍らのiPadに映し出します。先ほどお話しした頬の白い線や、舌の縁が歯の形に合わせてギザギザになっている様子などを、患者さんご自身の目で見ていただきます。
「ああ、これのことか!」と納得される方がほとんどです。
iPadに書き込み視覚的に説明
レントゲン写真をお見せするだけでなく、筋肉の繋がり(肩甲舌骨筋など)や力の掛かり方などを、iPadに描き込むことでご説明します。視覚的に理解することで、なぜご自身の体に不調が出ているのかスッと腑に落ちるはずです。
知識豊富なスタッフが、あなたのお悩みに寄り添います
当院の強みは、院長だけでなく、歯科衛生士をはじめとする知識豊富なスタッフ陣です。 私たちはチーム一丸となって、患者さん一人ひとりのお悩みに耳を傾けます。日中のどんな時に食いしばりやすいかなど、生活習慣に関するカウンセリングも丁寧に行いあなたに合ったアドバイスをさせていただきます。 どんな些細なことでも、気になることがあれば遠慮なくお声がけください。
歯ぎしり・TCHと肩凝り|よくあるご質問(Q&A)
ここで、患者さんからよくいただくご質問にお答えします。
Q1. TCHをやめたいのですが、具体的に何をすれば良いですか?
A. まずは「意識する」ための“きっかけ”を生活の中に作ることが効果的です。例えば、『歯を離す』、『力を抜く』と書いた付箋を、パソコンやキッチンの壁、車のダッシュボードなど、普段よく目にする場所に貼ってみましょう。
スマートフォンのリマインダー機能で1時間おきに通知が来るように設定するのも良い方法です。意識する回数が増えるほど癖は改善しやすくなります。
Q2. 自分が歯ぎしりやTCHをしているか、簡単に見分ける方法はありますか?
A. ご自宅でできる簡単なセルフチェックがいくつかあります。
- 鏡で頬の内側を見て、白い線(歯を押し付けた跡)がありませんか?
- 舌を出した時、縁が歯の形のようにギザギザしていませんか?
- 朝起きた時、顎の周りがだるい、疲れていると感じることはありませんか?
- 集中している時、ふと気づくと上下の歯が接触していませんか?
一つでも当てはまれば、その癖がある可能性が高いです。ぜひ一度、いわき市の酒井歯科医院で専門的な視点からのチェックを受けてみることをお勧めします。
Q3. 本当に「意識する」だけで、長年の肩凝りが良くなるのですか?
A. もちろん個人差はあり、全ての肩凝りが改善するわけではありません。しかし、筋肉の過度な緊張が原因である場合、その緊張を取り除くだけでも症状が和らぐ可能性は十分にあります。実際に当院の患者さんからも、「意識して歯を離すようにしたら、なんだか肩が軽くなった気がする」、「頭痛が減った」という嬉しいお声をいただくことは少なくありません。
Q4. 歯ぎしり用のマウスピース(ナイトガード)を作った方が良いのでしょうか?
A. 睡眠中の強い歯ぎしりから大切な歯を守るために、ナイトガードは非常に有効な治療法です。歯が削れたり、ヒビや割れたりするのを防ぎます。しかし、これはあくまで夜間の歯ぎしりに対するもので、日中のTCHを防ぐことはできません。まずは日中の癖を意識することから始め、お口の状態に応じてナイトガードの必要性を判断するのが理想的かと思われます。

Q5. 生活習慣でナニか見直す必要はありますか?
A. 猫背や巻き肩などの悪い姿勢は首や肩に負担をかけます。正しい姿勢を意識しましょう。また、頬杖はあごに不必要な圧力をかけるため避けましょう。


まとめ:つらい肩凝り、あきらめる前にいわき市の酒井歯科医院へご相談を
今回は、つらい肩凝りと、お口の癖である「歯ぎしり」「TCH」との意外な関係についてお話ししました。
- 長引く肩凝りの原因は、無意識の「歯の食いしばり」かもしれない。
- 歯と肩は「肩甲舌骨筋」という筋肉で繋がっている。
- まずは自分の癖に「気づき」、意識して歯を離す習慣をつけることが大切。
この記事を読んで、「もしかして私のことかも?」と感じた方。 その“気づき”こそが、長年の不調から解放されるための何より大切な第一歩です。
原因が分からないまま、つらい症状を我慢し続ける必要はありません。 いわき市の酒井歯科医院では、お口のチェックはもちろん、患者さん一人ひとりのお悩みの背景にある生活習慣まで見据えた丁寧なカウンセリングと情報提供を大切にしています。
定期検診のついで・・・くらいの軽いお気持ちで構いません。 「ブログを読んだのですが、肩凝りが気になって・・・」と、お気軽にお声がけください。 私たちと一緒につらい症状の根本原因を探り、健やかで快適な毎日を取り戻しましょう。
医療法人SDC 酒井歯科医院
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