最新のマウスピース矯正は、歯科医師と患者さんの二人三脚でゴールを目指すチーム戦です。私たちがご提供する「治療計画」と、あなたにお願いしたい「協力」。その二つが揃った時、理想の歯並びは現実になります。
「目立たない」、「取り外せる」、「痛みが少ない」・・・
マウスピース型矯正装置「インビザライン」は、これまでの矯正治療のイメージを覆す画期的な治療法です。当院でも、多くの方がこの治療によって自信に満ちた美しい歯並びを手に入れています。
精密な3Dシミュレーションに基づきオーダーメイドで作成されるアライナー(マウスピース)は、まさにテクノロジーの結晶です。 ですが、その最新テクノロジーをもってしても、たった一つ絶対に欠かせないものがあります。 それは、治療を受ける患者さんご自身の「協力」です。

インビザライン治療は歯科医師が一方的に歯を動かす治療ではありません。私たちがご用意した「歯を動かすための道具」を患者さんご自身が正しく使っていただくことで初めて、計画通りに歯が動くのです。 今回は、治療を成功に導くために、特に私たちが患者さんにお願いしている「3つの大切なお約束」についてお話しします。
理想の歯並びを手に入れるための「3つのお約束」
少し面倒に感じることかもしれません。ですが、これからお話しする3つのポイントは、全てあなたの歯を最短距離で美しく健康的に動かすために不可欠なものです。
お約束①:小さな巨人「顎間ゴム」をサボらない
治療の段階によっては、「顎間ゴム(がっかんゴム)」と呼ばれる小さな医療用のゴムを、上下のアライナーのフックにご自身で掛けていただく期間があります。
これは、単に歯を並べるだけでなく上下の歯の「噛み合わせ」を正しく調整するために非常に重要な役割を果たします。
「面倒だから・・・」とこのゴムの装着を怠ってしまうと、歯並びは綺麗になったのに肝心の噛み合わせがズレてしまい、「食事がしにくい」とか「顎が疲れる」といった新たな問題を引き起こす可能性があります。地味で簡単になくしそうなほどに小さなゴムですが、あなたの最終的なお口の健康を左右する「小さな巨人」なのです。
お約束②:アライナーの「密着」を高める「チューイ」を数分間噛む
新しいアライナーを装着する際にお渡しする「チューイ」と呼ばれるシリコン製のロール。これを、装着時に数分間しっかりと噛んでいただくのには理由があります。

アライナーはとても精密に作られてはいますが、装着しただけでは目に見えないわずかな「浮き」が御自身の歯との間に生じることがあります。この「浮き」があると、シミュレーション通りに歯に力がかからず、治療計画に遅れが生じる原因になります。
チューイを噛むことは、アライナーを歯に「完全に密着」させ計画通りの力を正確に加えるための非常に大切な最後の仕上げなのです。
お約束③:アライナーを外した後の「ブラッシング」を徹底する
インビザラインの大きなメリットの一つは、食事の際に取り外せることです。反面、それは同時に注意すべき点でもあります。
食事の後、ブラッシングが不十分なままアライナーを装着してしまうと、歯とアライナーの間に食べカスや糖分が閉じ込められ、お口の中は細菌が繁殖しやすい「むし歯の温床」となってしまいます。

アライナーの装着時間は1日20時間以上。その間、歯を長時間ラップで包んでいるのと同じ状態になる・・・とお考えください。矯正治療中にむし歯ができてしまっては本末転倒です。アライナーを清潔に保つことはもちろん、装着前の丁寧なブラッシングを何よりも徹底してください。
最高のゴールは、我々との連携から生まれます
インビザライン治療は時に長く地道な道のりです。 私たちは、専門家としてあなたの骨格や歯並びに合わせたしっかりとした治療計画をご用意しますが、その計画をゴールへと導く最終的な鍵を握っているのは他の誰でもない患者さん御自身です。
もし、今回お話ししたお約束が忙しくて守れなかったり、やり方が分からなかったりした時は正直に私たちにお話しください。どうすればうまく行くか一緒に考えることであなたの治療をサポートいたします。
理想の歯並びであり笑顔という最高のゴールを、しっかりと連携して一緒に掴み取りましょう。
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執筆・監修歯科医
最高のゴールは
双方の連携から生まれる
理事長・院長
酒井直樹
SAKAI NAOKI
経歴
- 1980年 福島県立磐城高等学校卒業
- 1988年 東北大学歯学部卒業
- 1993年 酒井歯科医院開院
- 2020年 医療法人SDC設立 理事長就任
所属学会・勉強会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本顎咬合学会
- 日本口育協会
- 日本歯科医師会
- 日本歯周内科学研究会
- ドライマウス研究会






