「入れ歯だから、こんなものかな…」と、我慢を続けていませんか?
「硬いものが噛めない・・・」
「食事中に、外れてしまわないかヒヤヒヤする・・・」
「歯ぐきに当たって、痛くて仕方ない・・・」
今お使いの入れ歯に、そんなお悩みはありませんか?
確かに、入れ歯は非常にデリケートな装置であり、100%ご自身の歯と同じ・・・というわけにはいかないこともあります。
でも、だからといって痛みや不便を我慢し続ける必要はありません。私たち歯科医師と患者さんが二人三脚で「今のあなたにとっての最善の快適さ」を目指すことは、必ず可能でしょう。

この記事では、まずご自身の入れ歯の現状を客観的に評価するためのチェックリストをご用意しました。そして、もし問題があれば、その解決のために私たちがどんなお手伝いをできるのか・・・出来ることと出来ない事がありはしますが、誠実にお話しさせてください。
まずは現状把握から。「より快適な入れ歯」を目指す7つのチェックリスト
以下の項目を、ご自身のお口と照らし合わせながら、チェックしてみてください。
✅ チェック1:「痛み」なく、食事を楽しめていますか?
食事の際に、特定の場所が痛んだり、無意識に硬いものを避けたりしていませんか?
「痛みなく食事ができること」は、生活の質における最低限の目標です。
✅ チェック2:「外れたり、ガタついたり」しませんか?
食事中はもちろん、会話中やあくびをした時などに、入れ歯が浮き上がったりガタガタと動いたりしませんか?
✅ チェック3:発音はスムーズにできますか?
入れ歯が口の中で邪魔になって「サ行」や「タ行」が発音しにくくなっていませんか?
✅ チェック4:食べ物が挟まって、不快ではありませんか?
食事のたびに、入れ歯と歯ぐきの間に食べ物が挟まり、食後に洗面所に駆け込んでいませんか?
✅ チェック5:見た目は自然で、笑顔に自信が持てますか?
入れ歯の歯の色や形が、ご自身の顔と調和していますか? 人前で話したり、笑ったりすることに ためらいを感じていませんか?
✅ チェック6:バネ(クラスプ)が見えて、気になりませんか?
部分入れ歯の場合、金属のバネが見えるのが気になって大きく口を開けて笑えない・・・ということはありませんか?
✅ チェック7:お手入れは、簡単にできていますか?
複雑な形で清掃がしにくくなっていませんか? 清潔に保ちやすいことも長く快適に使うための重要な条件です。


なぜ「合わない入れ歯」が生まれてしまうのか?
もし、上記のチェックリストで一つでも当てはまる項目があれば、それは「入れ歯だから仕方ない」ことではありません。合わなくなってしまったのには必ず理由があります。
① 時間の経過によるお口の中の変化
最も多い原因です。歯を失うと、歯を支えていた歯ぐきや顎の骨は少しずつ痩せていきます。そのため、作った時にはピッタリだった入れ歯も、数年経つと土台となる歯ぐきとの間に隙間ができて、ガタつきや痛みの原因となるのです。
② 保険診療の制約
保険で作る入れ歯は費用が安いという大きなメリットがありますが、使用できる材料や、かけられる時間にどうしても制約があります。そのため、より審美性や快適性を追求した精度の高い入れ歯を作るのが難しい場合があります。
③ 残っている歯の状態の変化
部分入れ歯の場合、バネをかけているご自身の歯が虫歯や歯周病で少しでも動いたり、すり減ったりすると、とたんに入れ歯全体のバランスが崩れてしまいます。
あきらめる前にご相談を。私たちが目指す「快適な入れ歯」作り
入れ歯作りは、歯科医師にとっても非常に奥が深く大変に難しい治療です。お口の中の状態は千差万別で、紙一枚分程度の調整が、その快適さを大きく左右します。
私たちは「必ず完璧なものができます」という無責任なお約束はできません。でも、患者さん一人ひとりが今よりも少しでも快適に、笑顔で食事や会話を楽しめるようになるために、持てる技術と知識の全てを尽くすことはお約束します。
今お使いの入れ歯の調整・修理
歯ぐきが痩せてきた場合は、入れ歯の内面を新しい材料で張り替える「裏打ち(リベース)」を行うことで再びフィットさせることができます。壊れたバネの修理なども、必ずではありませんがもちろん可能です。
より快適な、新しい入れ歯の作製(自費診療)
保険の制約にとらわれず、より高い精度・審美性・快適性を追求した、様々な種類の入れ歯をご提案できます。
ノンクラスプデンチャー(バネの無い入れ歯)
金属のバネがないため、見た目が非常に自然です。


金属床義歯
薄くて丈夫な金属をベースに使うため、違和感が少なく食べ物の温度も感じやすいようです。


インプラントオーバーデンチャー
数本のインプラントを土台にして入れ歯をしっかりとそこに固定します。驚くほど安定し、硬いものでもしっかりと噛むことができます。
入れ歯の治療は、私たち歯科医院と患者さんとの二人三脚です。「こんなものなのかなぁ・・・」とあきらめてしまう前に、ぜひ一度、お悩みをお聞かせください。一緒に最善のゴールを目指しましょう。

執筆・監修歯科医
完璧なお約束はできない
けれど、全力を尽くします
理事長・院長
酒井直樹
SAKAI NAOKI
経歴
- 1980年 福島県立磐城高等学校卒業
- 1988年 東北大学歯学部卒業
- 1993年 酒井歯科医院開院
- 2020年 医療法人SDC設立 理事長就任
所属学会・勉強会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本顎咬合学会
- 日本口育協会
- 日本歯科医師会
- 日本歯周内科学研究会
- ドライマウス研究会