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虫歯予防

サホライドとは?子どもの虫歯を「削らずに進行を抑える」治療についてわかりやすく解説

    こんにちは。いわき市中央台の酒井歯科医院です。

    サホライド(進行止め)ってナンでしょう?

    「サホライドって何ですか?」、「黒くなるって聞いたけれど大丈夫?」 そんなご質問を親御さんからいただくことが増えてきました。

    サホライドは、正式名称をフッ化ジアンミン銀といい、歯を削らずに虫歯の進行を抑えるために使われる薬剤です。 特に、小さなお子さまや、治療時にじっとしているのが難しいお子さま、また高齢の患者さんに対してとても有効な方法です。

    今回は、サホライドの仕組みやメリット・デメリット、どんなお子さまに向いているのかまで親御さんに分かりやすく解説します。


    サホライドとは?|虫歯を「削らずに止める」薬

    サホライド(フッ化ジアンミン銀)は、初期の虫歯の進行を抑えるために使われる歯科用薬剤です。 強い殺菌作用を持つ「銀」と歯を強くする「フッ素」が組み合わさっており、虫歯菌の活動を抑えながら歯質を固くしてくれます。

    サホライドとは、虫歯の進行を抑えるお薬のことである・・・というイラスト入りの説明文

    最大の特徴は、歯を削らずに塗るだけで治療ができること。
    そのため、

    • まだ診療チェアに座るのが難しい小さなお子さま
    • 治療に強い恐怖心があるお子さま
    • 発達特性があり、治療の負担を軽くしたい場合
    • 要介護の高齢者で、通常の治療が難しい場合

    などに非常に有効な手段と言われています。


    サホライドの効果

    サホライドには次のような働きがあります。

    ① 虫歯菌をしっかり除菌する

    銀イオンの強力な殺菌作用により、虫歯菌の増殖を抑えます。

    ② 歯を強くする(再石灰化)

    フッ素が歯の表面を補強し、虫歯の進行を遅くします。

    ③ 痛みのない治療ができる

    歯を削らないため、麻酔もドリルも使わずに治療できます。

    ④ 虫歯の進行を遅らせる「つなぎ」として最適

    乳歯はやがて生えかわるため、永久歯が生えるまでの時間稼ぎとしても使われます。


    サホライドのデメリットと注意点

    サホライドは優れた薬剤ですが、いくつかの注意点もあります。

    ① 塗った部分が黒くなる

    最大の欠点は虫歯の部分が黒く変色することです。
    これは薬の成分によるもので、身体には害はありませんが、見た目が気になる場合があります。
    そのため、通常は乳歯の裏側や見えにくい場所に限定して使用されることが多いです。

    ② 進行した虫歯には使えない

    神経に近い大きな虫歯(C3など)には効果がありません。 サホライドが有効なのは「初期~中等度」の虫歯に限られます。

    ③ とても苦い

    薬剤自体に強い苦味があるため、飲み込まないように注意が必要です。

    ④ 黒くなる=治ったわけではない

    サホライドは虫歯を“完治”させる薬ではありません。 あくまで「進行を抑える薬」であり、根本的に治すには定期的なチェックが欠かせません。


    サホライドの使用後に大切なケア

    サホライドを塗ったからといって、虫歯予防を油断して良いわけではありません。 大きく進まないようにするためにも、以下のケアが重要です。

    • 毎日のブラッシング・仕上げ磨きを丁寧に
    • 甘いもの・ジュースの量に注意
    • 歯科医院での定期検診(3〜6ヶ月ごと)

    必要に応じて、再塗布や虫歯以外の歯へのフッ素塗布シーラントなどの他の治療へステップアップしていきます。

    サホライドに関する注意点
    サホライドは定期的な塗布が必要であるという解説文

    サホライドが向いているケース

    次のようなお子さまにサホライドが適しています。

    • 小さなお子さまで、通常の治療が難しい場合
    • 治療への恐怖心が強い場合
    • 発達特性があり、無理な治療を避けたいとき
    • 乳歯の虫歯で、永久歯が生えるまでの「つなぎ」が欲しい場合

    まとめ

    サホライドは、歯を削らずに虫歯の進行を抑えることができる非常に有効な治療法です。 黒く変色するなどのデメリットはありますが、特に小さなお子さまや治療に不安がある患者さんにとっては負担が少なく、安全性の高い選択肢のひとつです。

    お子さまの虫歯治療についてご不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。 お子さまの成長や性格に合わせた無理のない治療方法をご提案いたします。

    執筆・監修歯科医

    お子様の歯の未来を守る
    やさしい歯科医療を

    酒井直樹

    医療法人SDC 酒井歯科医院 理事長 / 院長