はじめに:「インプラント治療」、その全体像
インプラント治療は、比較的に長い期間を要し外科手術を伴う治療です。だからこそ、「一体、何回くらい通うの?」、「手術って・・・どんなことをするの?」と多くのご不安や疑問をお持ちのことと思います。

ご安心ください。インプラント治療は決して闇雲に進められるものではありません。科学的根拠に基づいた明確なステップがあります。このページでは、あなたが失った歯の機能と美しい笑顔を取り戻すまでの全ての工程を分かりやすくご案内します。
Step1:カウンセリング・精密検査 ― 全ての始まりの場所
安全で確実な治療は完璧な「準備」なくしてはあり得ません。ここが最も重要なステップです。
① カウンセリング
まずは、あなたのお悩みや治療に関するご希望・不安なことなど、どんな些細なことでも私たちにお聞かせください。インプラント治療の概要や他の治療法との違いについて分かりやすくご説明します。

② 歯科用CTなどによる精密検査
インプラント治療の成功の鍵は術前の精密な検査にあります。歯科用CTを撮影し、インプラントを埋め込む顎の骨の厚みや硬さ、そして重要な神経や血管の位置を三次元的に0.01ミリ単位で正確に把握します。
③ 治療計画のご提案とお見積り
精密検査の結果を元に、コンピューター上であなたにとって最も安全で最適なインプラントの埋入計画をシミュレーションします。そして、その計画に基づいた詳細な治療の流れや期間、そして費用を明確にご提示します。私たちがあなたの「納得」なしに治療を始めることはありませんのでご安心下さい。

Step2:外科手術 ― 人工歯根を顎の骨に埋め込みます
治療計画にご同意いただけたら、いよいよ外科手術へと進みます。当院では、患者さんの身体的・精神的なご負担を最小限に抑えるための万全の体制を整えています。

① 1次オペ(インプラント埋入手術)
十分な局所麻酔を行った上で歯ぐきを少しだけ切開し、精密な治療計画通りに顎の骨にインプラント体(人工歯根)を静かに埋め込みます。手術後は歯ぐきを縫合し、インプラントが骨としっかり結合するまでの治癒期間(通常3〜6ヶ月)を置きます。この期間中は部位によっては仮歯を入れることも可能です。
(※手術への不安が非常に強い方には、ウトウトと半分眠っているような状態でリラックスして手術を受けられる「静脈内鎮静法」という選択肢もご用意しております)


② 2次オペ(アバットメントの連結)
インプラントが骨と完全に結合したことを確認した後、再度 歯ぐきを少しだけ切開し、インプラント体の上に最終的な被せ物を連結するための土台となる部品(アバットメント)を装着します。これは、1次オペに比べて非常に簡単な処置で身体への負担もほとんどありません。

Step3:上部構造(人工の歯)の作製と装着
いよいよ最終的な「歯」を作る最終ステップです。
① 精密な型取り(口腔内3Dスキャナー)
歯ぐきの傷が完全に治ったら、不快な粘土の型取りではなく口腔内3Dスキャナーを使い、快適に、そして、ミクロン単位の精度でお口の中の情報をデータ化します。


② 上部構造の作製と装着
取得したデータを元に、当院が誇る先進のデジタルソリューション(アトランティス / セレック)を駆使し、あなたの噛み合わせに完璧に調和したオーダーメイドの美しいセラミックの歯を作製。最後に、それをアバットメントの上にしっかりと装着し、最終的な噛み合わせの調整を行えば治療は完了です。


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Step4:メインテナンス ―「第二の永久歯」を守り続けるために
インプラントは人工物ですから虫歯にはなりませんが、歯周病と同じような「インプラント周囲炎」という病気にはかかる可能性があります。せっかく手に入れた「第二の永久歯」を生涯にわたって健康に使い続けるために、治療が完了した後も3〜4ヶ月に一度のペースで、定期的なメインテナンスに通っていただくことが何よりも重要です。

治療の完了はゴールではありません。それは、あなたが、もう一度「噛める喜び」に満ちた素晴らしい人生を歩み始める新しい「スタート」なのです。
執筆・監修歯科医
ゴールまでの地図を
まず、お渡しします
理事長・院長
酒井直樹
SAKAI NAOKI
経歴
- 1980年 福島県立磐城高等学校卒業
- 1988年 東北大学歯学部卒業
- 1993年 酒井歯科医院開院
- 2020年 医療法人SDC設立 理事長就任
所属学会・勉強会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本顎咬合学会
- 日本口育協会
- 日本歯科医師会
- 日本歯周内科学研究会
- ドライマウス研究会