はじめに:私たちの「想い」の原点
先日、過去の資料を整理しておりましたら、4年近く前(2021年10月)に、朝日新聞の折り込み紙である『朝日サリー』さんの「健康MEMO」というコーナーに私が寄稿させていただいた記事の切り抜きが出てきました。
テーマは、当院が、現時点で最も力を入れている分野の一つである「小児予防矯正」について。書かれている内容は少し前のものですが、そこにある私たちの「想い」は、今も、そしてこれからも全く変わることはありません。
私たちの「原点」とも言える当時の記事を、ここに再掲させていただきますね。

『未来の歯並びを予防する』
朝日サリー『健康MEMO』(2021年10月掲載)
歯科界では数年前に口腔機能発達不全症という病名が新設され、現代の乳幼児に口呼吸、飲み込みが上手くできない、舌が正しく使えない等の 歯列不正の根本原因であるお口の悪い癖と言われる症状が増えて来ていると警鐘が鳴らされ続けております。
お子さんは、ロウソクが吹き消せなかったり、飲み込み方が変だったり、常にお口がポカンと開いていたりされていませんか?
❶ 小児予防矯正とは?
「お口の悪い癖」を改善して正しい成長をサポートする矯正治療になります。筋機能訓練(お口のトレーニング)とマウスピース型の装置等を用いて顎の成長発育を促し、より良き歯並びを目指しましょう 。
かつては大きな永久歯の萌出に備えて乳歯列はすきっ歯が当たり前でした。最近では口腔機能が未発達故に乳歯の段階で歯同士が密着状態の幼児が多数。お子さんはいかがでしょうか?
❷ 機能不全と不正な歯並び
むし歯や歯周病予防だけでなく口腔周囲の諸機能を発達させて歯並びをも予防する考え方が歯科界のトレンドです。5~9歳の骨の柔らかい時期に歯の受け皿となる顎を 成長させ将来的に永久歯が余裕を持って配列出来るようなスペースを確保し、不正咬合を未然に防ぎましょう。
10歳頃以降には顎の骨の成長期は過ぎてしまいますので、幼小児期に筋機能訓練や装置で顎の拡大を促したり鼻呼吸への改善を促す予防法が注目を浴びています。
❸ 生活習慣から変えてみる
お口の悪い癖改善には舌や口腔周囲筋の発達が欠かせません。食事の際によく噛むように飲み物を排除し、前歯でかぶりつく食材を心掛けてみて下さい。遺伝的要素も否定は出来ないのですが、お子さんの食べ方・飲み込み方に不安をお感じの方はより良き未来の咬合と全身の健康のためにお近くの歯医者さんに御相談下さい。
2025年の今、改めて思うこと
この記事を書いてから4年近い月日が経ちました。そして、当時 私たちが感じていた問題意識は、今、さらに社会全体にとって重要性を増していると確信しています。
この記事では、まだ言葉が足りていない部分もたくさんあります。私たちは、この数年間でさらに学びを深め、このテーマに関するより詳細でより専門的な情報サイトをリニューアルし新たに立ち上げました。
もし、この記事をお読みになって、少しでもお子さんのお口の成長にご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ、以下の私たちの「現在地」を示す最新の総合案内ページも合わせてご覧いただけますと幸いです。
【合わせてお読み下さい】
執筆・監修歯科医
この想いは
あの日から変わりません
理事長・院長
酒井直樹
SAKAI NAOKI
経歴
- 1980年 福島県立磐城高等学校卒業
- 1988年 東北大学歯学部卒業
- 1993年 酒井歯科医院開院
- 2020年 医療法人SDC設立 理事長就任
所属学会・勉強会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本顎咬合学会
- 日本口育協会
- 日本歯科医師会
- 日本歯周内科学研究会
- ドライマウス研究会