2016年9月23日

インプラントなら周りの歯(隣在歯)を守ることが出来る

ブリッジブリッジと呼ばれる修復方法は、時には両隣の歯を大きく切削して細身にしてしまいます。場合によってはむし歯でもナンでもなかった歯を徹底的に削ってしまうことがあります。また、考えてみれば3本でやっていた仕事を2本に担わせる事になるので単純計算で1.5倍の負荷を常に掛け続けることにもなりましょう。

我々人間だって、3人分の仕事を2人にさせてしまえば当初は頑張ってくれようかとは思いますが、やがては疲弊することを経験的に知ってます。そこにブリッジの最大の欠点が潜んでいます。

入れ歯また、入れ歯は両隣の歯を削るのは微量で済みますのでダメージ的には少なく済ませることが出来ます。それでも咬合時の負荷は相当に掛かって参りましょう。
我々は、歯を抜く時にペンチのようなモノで歯をグリップし揺さぶるようにして抜いていきます。入れ歯のバネ(針金様のモノ)も同様で、歯にしがみついて人工歯部分の負荷(揺さぶり)に常に絶えていかねばなりません。

総入れ歯の方は最初っから総入れ歯だったわけではありません。最初は数本の欠損で、そこに入れ歯を入れる・・・・バネの掛かった歯は最初は頑張るのですが数年後には負荷が大きすぎて動揺を来たし脱落していきます。しばらくしてまた隣の歯にバネを掛け同じ事を繰り返していきます。欠損が大きくなればなるほど残りの歯への負担もまた大きくなり、気が付けば1本も無くなってしまった・・・という話を皆さんから良く伺います。

インプラントインプラントにはそれがありません。経験上、逆にグラグラだった隣在歯が隣にインプラントという鉄骨のような柱が立つとしっかりしてくることをしばしば経験いたします。
インプラントというモノは他の歯を守る治療法といっても過言では無いんじゃないでしょうか。

 


インプラントは着脱の手間が要らない

当たり前のことと言えば当たり前ではあるのですが、天然の歯が着脱不要でありますから限りなくそれに近似させたインプラントは基本的に御自身で取り外すようなモノではありません
(ケースによっては例外的に取り外すシステムもありますが・・・)

clinic-director_R.jpgこれはブリッジも一緒でして、いわゆる固定式のメリットとなりましょう。通常の天然歯と同様に扱えるというのは間違いなく朗報ですよね。

一方で、入れ歯は逆にその面倒さが生じて来る点がデメリットとなりましょう。食事の度毎に外して入れ歯はモチロン、口腔内も必ず隅々までブラッシングしないとなりません。

皆さんから良く伺うのは、「入れ歯の痛みとかはないんだけど、面倒で使わなくなっちゃった」というお話しです。御自身で着脱できるが故に外しっ放しでそのまま放置されてしまうこともしばしば生じて来ます。その事で他の歯への負荷が高まり、健康で有った歯までやがては欠損に結びついてしまう方もいらっしゃるほどです。

 

インプラントは見た目が美しい

implant.JPG人の価値観というモノは多様で、必ずしも歯牙が美しくなければならないというモノでもないかもしれません。保険適用の被せモノ(ブリッジ)やバネ(入れ歯)の金属も機能を発揮する状況であれば否定されるべきでもないのかもしれません。

その反面で、美しく澄んだひとみと白く整った歯を称える「明眸皓歯」という言葉もあります。
見た目が美しいモノであれば視線はそこに注がれることも無く違和感を感じさせずに済むんではないでしょうか。
十数年前からホワイトニングというジャンルが脚光を浴び始めたのは自然な白い歯への憧れがあってのモノかと考えます。欠損部を補う方法の中で、時に我々歯科医でも見紛うほどの自然さを得られるのはこのインプラント以外にはないのかもしれませんね。
(※ 写真の真ん中の歯がインプラントです)

 

インプラントは地震等の緊急時の対応が楽

日々診療に従事しておりますが、時折 忘れられない患者さんがいらっしゃいます。本来でしたらすべてを記憶してるに越したことはないのですが、人間ですからそうもいきません。(汗)

その忘れられない患者さん(70代の御婦人)は、そもそもは原発にほど近い双葉郡の方で、平成23年の東日本大震災の7ヶ月後に当院を受診なさいました。伺えば震災直後より各地の避難所を転々とされ、やっといわき市の仮設住宅に落ち着くことが出来たんだとか・・・。

implant02.jpg当院にお出でになり口腔内を確認させていただいて驚きました。その女性は下顎はほとんどの歯が残っていたのですが、上顎には右上奥に1本の歯しか残って居らず、愛用の入れ歯は避難時に御自宅に忘れてしまったとのこと。以後、数ヶ月の間 転々となさっていた避難所の滞在時間は何処でも短く、その地域での歯科医院受診もままならずにそのままで過ごされたとのことでありました。

私自身、入れ歯の装用経験はありませんので身を持っての経験ではありませんが、例えば自宅では腕時計を外したり女性であればアクセサリーの類を外すように、入れ歯も自宅では外される方が多くいらっしゃるようです。そういった方は、地震避難時とかの緊急時に忘れてしまうことが生じて参ります。(泣)

震災時に直後の避難所を訪ねたことがあります。夕飯時でボランティアの方から配られていた食事は「タクアンと御握り」でした。件の御婦人はそういった避難所でどうやって咀嚼をなさっていたかと考えると・・・・・歯の欠損部を補う方法を考えずには居れませんでした。そんな意味でもインプラントの優位性は高いようにも感じた次第です。

 

インプラントは飲み込む恐れがまず無い

crasp.jpg絶対に無いとは言い切れません。インプラントはネジ止めの固定、そのネジが緩んだ程度では取れない構造になってるから大丈夫ではあるのですが、ネジそのモノが折れないという保証はありません。(泣)
万が一であっても、夜間に歯ぎしり等をなさってその際に折れるようなことがあれば飲み込む恐れはゼロにはなりませんでしょう。

日常、様々な患者さんに接していると、入れ歯のバネ(金属の針金様のモノ)の破折は頻発します。多いケースとして「気が付いたら無かった」と皆さんが良く仰います。小さなパーツですから無理もありません。大概はお腹の中に取り込まれ数日ウチには排出されるので問題は無いですが、気分的には宜しくありませんね。

教科書的な症例報告ですが、中には認知症に罹患なさっていて、総入れ歯を飲み込んでしまう例も有り得るようです。だとすれば写真の様な小さな入れ歯なら・・・・考えられなくも無いですね。(汗)

 

インプラントは口臭の原因になりにくい

考えてみたら、「歯根」でこそありませんが「人工歯根」が下部に存在します。通常の歯に近似したそのスタイルは口腔内という汚れ易い空間においては理に適った形状なのかもしれません。その意味で口臭の原因にはなりにくいに違いありません。

shikanbrushi01.pngもっともインプラントであっても、清掃を怠れば「歯周病」と同様の「インプラント周囲炎」は起こり得ますし、通常のブリッジと同様に本数を減らして橋を架けるスタイルもあるので、その場合には歯間ブラシ等の清掃補助用具を用いてのケアは必須にもなりましょう。

入れ歯のように、口腔内に明らかなる異物が存在してる訳ではありませんから食物残渣が残りにくいのは間違いありませんでしょう。インプラントに限りませんが、ケースに応じたセルフケアがやはり求められますね。

 

顔の輪郭が引き締まり顔立ちが若々しくなる

例えば「ドラえもん」とかのアニメとかで御老人(お爺ちゃん&お婆ちゃん)を描写する際に、必ずと言って良いほどに口腔周囲に縦皺だの横皺だのを描くイメージがありませんでしょうか?
換言すれば、口の周りにシワ(皺)を描くだけでその方を老け顔に見せることが出来るという事に他なりません。

実は、歯の存在はこの件に大きく関わって参ります。歯の大事な機能は咀嚼(そしゃく)に役立つ咬合である事は間違いがありませんが、それ以外に軟組織(口唇・頬・舌)を健全な姿に保つという役割も担っています

implant01.jpg前歯部によって口腔側から上唇を支えることをリップサポートと言います。その言葉からも解るように、歯の存在は口唇を形成する筋に適度なる緊張感を与え顔の表情を作ってくれます。その反面で、歯が存在しないと口唇の緊張度が損なわれ、老人様の顔貌が人工的に作られることになってしまうのです。(泣)

入れ歯は夜間には外すことが求められます。これはメガネや時計、アクセサリー類と一緒ですね。一日中負担を強いられたバネの掛かる歯を休ませることが求められますし、夜間は唾液の分泌量低下に伴い口腔内の自浄作用が損なわれますから余計な異物は入ってない方が宜しいのです。

ところが御婦人などは、「家族にさえ皺だらけの顔は見せたくない」と仰って夜間でも外さずに居る方がいらっしゃいます。それが他歯へのダメージとなり歯の喪失を促進させてしまうのに・・・・です。(泣)

その点、インプラントブリッジは固定式ですからお顔付きの若々しさを保つことが可能であります。こんな点にも優位性があるように思われます。

 

喋りやすく滑舌が良くなり聞き返されない

implant-tool.jpg我々の口の中・・・・上顎の裏板の部分(口蓋)には口蓋襞(ヒダ)と呼ばれる横に走る数条のヒダが存在します。ナンと申しましょうか、私も年齢故にその形状を正確に把握して記憶が定かなワケではありませんが、洗濯板のような表面性状を呈していまして部位としては上の前歯の後ろ側に位置するモノであります。

この口蓋ヒダ。口蓋皺襞(こうがいすうへき)とも呼ばれますが、何方にも存在します。
ナンの役割をしているのか・・・一般的にはまったく存在を意識する事は無いかと思うのでお解りになる方はまずいらっしゃいませんでしょう。下記の様な働きをしてようかと思われます。

<口蓋ヒダの役割>
・ 食塊の形成時に滑り止めとして働く
・ 発音時の舌尖の位置決めに重要で、調音器官のひとつ
・ 舌を硬口蓋に密着させて気流を妨げて音を作るので発音に欠かせない

子供(幼児)の頃から我々は無意識にそこに舌の先端(尖端)を触れさせて音を作って来たんですよね。そこに入れ歯なる厚みを有するモノが入って来ると、そのサイズや厚みにも因りますがその口蓋襞を覆ってしまうことになるので厄介なようであります。「しゃべりにくい」という嘆きを良く伺うことがあります。(泣)
そのうち慣れるとは言うモノの、ずっと入れっ放しのモノではありませんからその都度 舌と口蓋の距離が変化し難儀される方が多いようです。

ブリッジインプラントには基本的にこういった部分がありませんから滑舌を悪くさせるようなことはなかろうかと思います。

 

インプラントは生活習慣病(成人病)の予防に繋がる?

garden.JPG「がん(悪性新生物)」、「心臓病(急性心筋梗塞)」、「脳卒中」・・・・これらはかつて「成人病」と呼ばれた三大疾病として皆さんも良く御存知だと思います。
現在ではこれに「糖尿病」、「高血圧症」、「動脈硬化」なども合わせて、中高年の皆さんだけでなく30代ぐらいの比較的若い世代にも頻繁に見られるようになって来たことを受けて、一般的には「生活習慣病」と呼ばれることが多くなりました。

この生活習慣病には、食事・喫煙・飲酒・運動・休養などが深く関係してましょうが、とりわけ何方も欠かすことが絶対に出来ない食事はウェイトが大きいと言わざるを得ませんでしょう。考えてみますと、しっかりとした咬合が成立せずに噛めない状況であれば自然と軟質のモノを丸呑み状態にしてしまうことは想像に難くありません。どうしても摂取しやすい炭水化物の量が多くなりがちにはなりませんでしょうか。

食事に起因する生活習慣病・・・・それを防ぐにはしっかりと咀嚼できる咬合(噛み合わせ)が必須となります。モチロン、むし歯や歯周病に注意を払い歯が残ってる方はナニも問題は無いのですが、喪失歯があり咀嚼に支障を来してるような方は要注意となりませんでしょうか。

しっかりと噛んで食べる、なるべく噛まないと飲み込めない様なモノを選択する・・・・ただそれだけで生活習慣病予防に繋がり、同時に多くの方々の健康長寿の延伸と言ったモノや医療費の適正化に繋がる可能性があるとすれば、しっかり噛めるような咬合の確立は必須と言えましょう。
私自身、入れ歯インプラントも、そしてブリッジさえも口腔内に存在しないので実感を持っての評価を下すことは出来ないのですが、インプラントや1歯欠損程度の短めのブリッジでしたら天然歯と遜色の無い咬合力を得られようかと思います

 

インプラントで運動機能が改善される

運動機能と言っても特殊な運動のことではありません。日常の生活の中で我々に求められる立ったり座ったりといった当たり前のレベルのお話しであります。
インプラントに限った話ではありませんで、これはブリッジでも入れ歯でも宜しいのですが、手段はどうであっても「奥歯でしっかり噛めるようにする」ことは全身にとって非常に大切な要素となります。

garden01.JPG奥歯が喪失し、咬合状態が成り立たなくなってしまった方の場合、下肢の筋力が低下することが知られております。つまりは歩行が難しくなるということでありましょう。咬合と全身との関わり合いが叫ばれて久しいですが、歯の喪失後の「放置」状態はその方の高齢期の健康を保つという観点においては避けねばならない項目となりましょう。

私には、現在 80代半ばに差し掛かる母・義父・義母が居りますが、年齢的には高齢者である事をモチロン否定はしませんが、基本的な運動機能は損なわれておりません。3人とも咬合がしっかりしてる御陰かと思われます。
一方で、時折依頼される訪問診療で伺う方々は、70代前半であっても咬合が完全に喪失されて居て寝たきりの状態だったりされます。御家族の方に伺うと「病気ではなく老衰です」と仰います。もし、咬合がキチンと維持されて居ればそうはならなかったのではないか・・・・そんな風に感じる経験を我々歯科医は頻繁に致します。

 

脳の血液循環が良くなり認知症予防に繋がる

多くの方が御経験お有りだろうかと思いますが、運転中など睡魔に襲われ困った時などにガムを噛んだりされませんでしょうか? そうすることで眠気がなくなり事無きを得たりしますよね。

chewing.jpg私は子供の頃、あのミント味とかの刺激で覚醒するんだとばかり思ってましたけど、実際は顎を動かすことで脳内の血液循環が良くなるから・・・・かと思われます。試しにガムを切らしてしまったロングドライブ中に、他所の方には見せられませんけど顎の開閉口だけを何度もしてると目が覚めて参ります。お試しいただければと思います。

しっかりと噛める咀嚼が、脳の活性化に役立つことが近年明らかにされつつあります。常日頃 大して意識もせずにナニ気なく動かす「咀嚼」運動だけで仮に脳が活性化されるとすれば、認知症予防と言った観点からもまさしく朗報でありましょう。
脳が働かなければ我々は咀嚼というモノが出来ません。咀嚼しないのであればその食物の美味しさすら感じることは出来ません。咀嚼運動は脳があってこそ可能・・・換言すれば、咀嚼が十分に出来なければ脳の機能は間違いなく低下する関係にあると言っても過言では無いのです。

咀嚼は脳内の血流を増やし、神経活動を活発にさせる

咀嚼は、口腔周辺が健常な方であればそう意識する事なくなさってるはずです。食物を口腔内に入れ、ほぼまったく意識せずに「噛む」行為をしちゃってますが、考えてみれば一連の動作に関わる諸筋群の働きはロボットでも再現困難かと思うのです。「食べる」という行為は、そういった「運動」に止まらずに瞬時に味の認識(甘い、辛い、好物、初めて口にした、etc・・・)を判断し、脳に実に様々な情報伝達をして大きな刺激を与えているとも言えましょう。

咀嚼をすると脳内の血流量は確実に増します。それと同時に神経活動が間違いなく活発になります。このことは、つまりは脳の運動野や感覚野、前頭野、小脳などが無意識に活性化されることを意味します。脳内には口と関係する神経領域がとても広く分布していて、口を動かす(咀嚼する)ことで脳が広範囲に刺激され活性化されることは疑いようがないと思われます。

人間の持つ知的領域、前頭前野を活性化

咀嚼による脳への刺激ってヤツは、脳のどの部位に作用するんでしょうか? 調べてみましたところ、まずは前頭前野を活性化させるようです。
前頭前野ってのは額のちょうど後ろに位置する人間だけが有する最も知的な分野を司る領域のことです。この前頭前野を刺激する方法としては一般的には音読や計算等と言われてますが、一番簡単な方法は何かと問われれば間違いなく「咀嚼」となります。ナンてったって噛んで味わうだけですから・・・・。
うつ病や認知症のような疾患に罹患なさってる方は、よく前頭前野の機能低下が指摘されるのですが、つまりは・・・・咀嚼が思う様に上手くいってないことを示唆もしましょうし、逆に咀嚼することがその認知症治療等に大いに役立つ可能性があるということでもありましょう。

脳細胞の劣化を防ぎ、元気な脳を作る

咀嚼では記憶力の向上も期待されます。全ての情報がまず脳の海馬という部位に送られますが、我々は噛むことで無意識にではありますが「味・温度・食感・香り・混入している危険なもの」など実に様々な情報を感知して口から脳に伝えます。つまりは海馬を大いに刺激します。海馬の活性には、咀嚼・色合い・盛り合わせ・味・匂い・噛んだ時の歯ごたえ・音など、五感で我々が得た情報の全てが関連してくるんだそうですよ。

逆に噛まないと、まず海馬の神経細胞死が進む様にもなると言われています。(泣)
家族や友人と会話を楽しみながら食事を摂ることは、より多くの神経ネットワークが働き、海馬を始めとして脳全体が刺激されます。これらのことから、咀嚼は脳の劣化を防ぎ、同時に脳の活性に大いに役立つと考えられています。御自分の天然の歯と遜色ないぐらいにしっかりと噛めるブリッジインプラントの優位性はそこにもありませんでしょうか。

 

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